第11話 修行
俺は毎日、
——修行を始めてから一週間が経過した頃。
バキッ——‼︎
「立て。時間はまだまだある」
「もうやめてくれー!」
俺は今、人生で初めて無様な姿を見せながら許しを
いつの時代の
とにかく、根性論。倒れそうになったら、『倒れるな!』の一点張り。倒れたら倒れたで、胸ぐら掴んで強制的に立たされる。
あまりにも理不尽な指導方法だ。
(俺が死んでもいいのかよ! クソッ! 視界が霞んできやがった)
バタッ——!
「
(この声は
「
(に、荷物だと⁉︎ ふざけるなよ! クソー! 今すぐにでもバックれたい!)
「それでもやりすぎよ。この後は私の訓練もあるんだから…」
(えー⁉︎ そっちの心配ですか? でも
「
「……そう…ね」
(甘い? それに
そして俺の意識は途絶えた。
目を覚ました頃には、外は真っ暗になっていた。時刻は九時を指していた。ベッドの横では、
俺をボコボコにした当の本人は、腕を組んで壁にもたれかかっている。
「今日は霊術の訓練はお休みにしようか。
(あーやっぱり
「フンッ! 甘い男だ。そんなことでは怪異師が務まるかよ。地獄を見るぞ」
「ごめんね。あれでも
(あれで…? 心配…? 重度のツンデレなのか?)
「
「ううん。
「なんかすいません。明日からまた宜しくお願いします」
「そうね。そう言えば聞きたいことがあったのよ」
「聞きたいこと?」
「
「妖気に喰われる? 何ですかそれ?」
「説明してなかったわね」
「何とも無かったってことは、やっぱり変なんですか?」
「えっ? いやいやそんなことないわ。私も疑問に思っただけ」
この時の
♦︎ ♦︎ ♦︎ ♦︎
それから更に日は流れ———
4月27日。
「あー明後日からゴールデンウィークか…。学校が休みってことは地獄の修行が長いんだよな…。休みにならないのかな?」
「はい、お疲れ様でした」
誰もいないと思い漏らした余計な一言を、
「いいのよ。休みも欲しくなるものよ。そんな
「ほ、本当ですか⁉︎」
「私も
(
「お前も知ってるだろ。今月で平成は終わる。
(
「ただし、不要な行動はするな。お前はいずれ
だが俺は、この忠告を深く聞き入れてなどいなかった。
本当の地獄を見るのは、ここからだった。
それが定めだとすれば、俺は、俺の人生を、運命を、呪われたものだと思うのだから。
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