第10話 怪異師の才能
「クソッ!」
(何故だ⁉︎ こんな男のどこに惚れた? 人と接することを嫌うこの男に!)
「
「えっ? あー聞いてるわ。
「
その手伝いをするのが
怪異師は霊力と霊術を使って戦う。反対に
「基本となる霊力について説明するわね」
霊力とは、人間に眠る超能力で誰もが持っている力。一般人でもごく稀に目覚める者がおり、イタコや霊媒師などを生業としている。霊力は別名・第六感とも呼ばれている。この力を使って
「簡単に言えば、人気漫画のドラゴンボールの世界みたいなもんだ」
「かめはめ波みたいなことができるのか?」
「それは出来ないが、霊壁や身体強化などは霊術によって生み出されるものだ」
「この霊術が使えることで怪異師として認めてもらえるのよ。まずは霊壁が作れるようになることが第一歩ね!」
(そんな簡単に出来るものでもないと思うが…)
「あとは、
「つてことは
「あぁそうだよ。
「ないないない! 全くないです!」
(こえー。コイツ絶対拗ねてるよ。何されるかわからないぞ)
「じゃあ
「試す? 何をですか?」
「もちろん才能があるかどうかをね」
霊力を使うには、身に宿る不思議な力を感じる取ること。集中力を非常に有するため、身体に負担がかかる。これがなかなか難しく、簡単に出来るものではない。
だが、
「
(俺にこんな才能があったのか? でも、この感覚はどこかで使った記憶が俺にはある。とても古い記憶で思い出せないが、何処かで…)
「じゃあそのまま霊力の出力を上げて、霊壁を作ってみましょ。霊力の
(なんだこれは? 霊力の出力を上げた瞬間…身体…身体から何が奪われていく感覚…いや倦怠感だ。この怠さは寝込んだときに起こる感覚と同じだ。それに霊力が思うように動いてくれない。これじゃあ霊壁は作れないぞ?)
徐々に身体が重たくなる感覚と共に
「アハハ。霊術はまだまだね。でも霊力を感じ取って多少制御出来るだけでも十分凄いわ! 私は七歳の頃から始めたけど、霊力を感じ取れるようになるまでに二年かかっちゃったから…」
「父が見込んだだけはあるのか」
(相変わらず
「
術式はどうやって使えるようになるんですか?」
「残念だけど
「なんですか? その相伝術式と固有術式って?」
「相伝術式っていうのは、家系代々に伝わる術式のことだ。安倍家は
「私たち
その中でも最高位に位置するのが、睦式である
そして、
「
(優秀な一族なんだな。でも龍は一瞬で消えてしまった。式神みたいに長くは出てこれないのか?)
「何か言いたそうな顔してるわね。私の術式もまだまだなの。だから
「それでも
(式神を使う
「それで固有術式っていうのは?」
「固有術式は生まれながらにして持ってる術式よ。私も実は一つだけ持ってるの。固有術式は一個だけとは限らないわ」
「複数の術式を持っている怪異師も存在する。だが、固有術式は持ってるだけでも珍しい」
「
「俺も一つ持ってる」
「なんだよ、この優秀な集まりは…。怪異師でもそれぞれ違うのは分かったけど俺に何の力があって怪異師になるように勧めたのか全然わからないな」
そして崇徳一族である可能性があること
「とにかく、
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