第9話 真の孤独
ぬらりひょんの脅威から救ってくれたのは、美人なお姉さんだった。
お姉さんは俺の顔を見ると知っているような雰囲気を出していた。
「君は…」
「あっ! 俺は【
「そう…君が
「はい!」
こうして俺は傷ついた
本当の地獄はここから始まるのであった。それは修行ではなく、怪異師になるという地獄への一歩を踏み込んだという意味だった。
「ごめんなさいね」
「えっ⁉︎ いや、すいません。溜め息なんか吐いたりして!」
「もう少し早く帰って来ていたら、
「命を助けていただけて本当に嬉しいです!」
「自己紹介をしてなかったわね。私は【
彼女は同じ大学の上洛大学・法学部に通う二回生であった。そして
(しかしデカい家に住んでるなぁ。これが摂家の財力なのか。でも怪異師なのに、家の中にあるものは一般家庭と変わらないぞ)
「何か考えてるでしょ?」
「あっ…すいません」
「いいのよ。私たち
(これ以上、踏み込んで聞いていいのか? でも怪異師になるんだったら聞いてもいいよな)
「失礼かもしれませんが、どうして?」
「それは私にもわからないわ。時代と共に物事も移り変わっていくものよ。多忙だけど両親は楽しそうにしてるわ。それが一番平和だもの」
(怪異師をしたくないっていうのが伝わる。辞める選択肢は無かったのか?)
「そうですよね。平和なのが一番ですよね。それに
「金ならめちゃくちゃ貰えるぞ」
傷ついた身体をゆっくりと起こし、不機嫌な表情で
「りょ、
「もう大丈夫なの?」
「うん。まだ多少の痛みがあるけど動いて問題なさそうだよ。ありがとう
「なんか…俺とは接し方が違うんだな。なんだよ?
「へっ? 私たち付き合ってるのよ。聞いてないの?」
(はぁ? なんだって? だって…コイツは孤独大好きコミュ障のはず。それがこんな綺麗な
「う…嘘ですよね?
「嘘じゃないわ。
「
「
「俺が恥ずかしいからやめてください」
「もう、敬語はやめてよ。付き合ってるんだから! 酷いと思わない。ねぇ
(それじゃあ、彼女もいない俺は真の孤独じゎねぇか!
「
「無視してていいよ。
「本当に彼が崇徳一族の可能性を持ってるの?」
「そうなんだ。ハッキリはわかってないけど、神器が使えたら崇徳一族と断定していいって父が言ってる」
「そう…。彼は死ぬ運命にあるのね。彼とは深い関わりは持たない方がいいのね。残念だけど…」
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