第8話 一尉家の令嬢・一尉雅
「祓うって…どうやってだよ。それに勝てる算段でもあるのか⁉︎」
「黙って見てろ。お前がこれからなる怪異師とはこういう職だ。そして俺たち安倍家の術式は、
「
「噛み殺していいぞ、
だか
「これが…怪異師なのか」
怪異師である
ただわかっているのは…
(こんなの無理、無理、無理! 人知も人外も超えてるじゃねぇか! どこぞのファンタジー世界だよ! 力をつけて戦う? 一瞬で死ぬに決まってる!)
「式神ですか…? 安倍家というワケですね。安倍家には千年前にもお世話になりました。とても厄介で面倒な相手でした。ですが、あなたはそうでは無さそうですね」
「千年前だと⁉︎ 何に執着して存在している⁉︎」
「平安時代からずっと夢を見ていたのです。私は妖怪総大将となることだけを。その夢を叶える方法が今、目の前にあるのですよ!」
ぬらりひょんは刀を抜いて、
キーン‼︎
刀が何かに当たる音が聞こえる。
「
「チッ! 俺の名前を気安く呼ぶな!」
心配して名前を呼んだだけなのに、何故か機嫌を損ねてしまったようだ。
ぬらりひょんは次々に刀を振り回して、
「強い霊力の持っているのですね?」
「お前の呪力が弱いんじゃないのか?」
「言ってくれますね。これでも私はまだ遊びのつもりです。少し本気を見せてあげましょう」
ぬらりひょんは呪力を刀に込めると、禍々しい気が見える。呪力が
「がはっ!」
(逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
頭で考え自分の心に言い聞かせるが、足が動いてくれないのが現状であった。
「では、アナタの血と肉をいただきましょうか! その力は私が貰い受けましょう!」
ぬらりひょんが
「睦式・
女性の声が一瞬聞こえると、天から龍が口を開いて降りてくる。龍と言っても、その身体は藤の花で出来ていて、地面にぶつかるとブワッと舞うように一瞬で散ってしまった。
そして倒れた
(この人が…【
「ホッホッホッ。邪魔が絶えませんね。一度退くとしましょう。またお会い出来るのを楽しみにしてますよ」
ぬらりひょんは妖気を纏って地面の中へと潜るように姿を消してしまった。
「私の術式もまだまだね…それより
意識が朦朧としてる中、
「ダラシないところを見られた…ハハッ…」
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