第7話 ぬらりひょん
午後八時——。
歓迎会も終わり
「おい、帰るなよ。今から行くところがある」
「今から? どこにだよ。それに名前で呼んでくれないか?」
「名前? なんで俺がお前にそんなことをしないといけない」
「はぁー。なんでそんな
(
だが、そんなことも言えず、
上洛大学の最寄りの駅である、出町柳駅を出発して電車に揺られることおよそ十分程度。目的地である駅に到着した。
『京都市左京区岩倉木野町・京都清華駅』
駅から少し歩くと、豪勢な家の前で
「ここは…?」
「お前の修行場だよ」
「修行場? なんでだよ⁉︎」
「怪異師になることを忘れたのか?」
「あっ…」
(って言うか…マジなんだな。この先は不安でしかない。化物と戦うなんて出来るワケがない。人間同士の喧嘩ですら、したくないのに…)
「
「両親は?」
「出張で空けてる方が多い」
十分——
二十分——
と時は進んでいた。
すると異様な霧が辺りに漂い、次第に周囲を包み込み始めた。
「お、おい! 一体何が起きてるだよ⁉︎ それにこの霧は?」
「妖気だ!
暗闇の中、ヒタヒタと不気味な足音を立てながら近付いてくるのが俺にもわかる。今朝出会った小鬼とはレベルが違う。
何かに吸い込まれそうな感覚して意識を失いそうだ。これが妖気なのか…。
「ほっほっほっ。まさかこの地で上物の血に巡り会えるとは思いもしませんでしたよ。これは、私が妖怪総大将になれる千載一遇のチャンスというわけですね」
闇の中から意味のわからないことを発して、姿を現したのは大きな頭をした老人であった。
(コイツ…本で見たことがある。この特徴的な頭の形をした妖怪は『ぬらりひょん』だ)
妖怪総大将として認知されているが、実際のところはそうではない。百鬼夜行絵巻にぬらりひょんは描かれてなどいない。
「お友達もご一緒ですか?」
(スゲー頭の形も気になるが、
「コイツが
(だが…この妖気どこか変だぞ? 今まで出会った呪妖怪とか違う」
「力を持った
「逃げる? 何言ってるんだ? それにお前のその震えた脚で逃げれると思ってるのか? 俺は怪異師だ。
「用があるのは、後ろで震えている彼なのです。あなたに用はありません。道を空けていただけませんか?」
「俺を倒してからな!」
そして
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