第6話 呪われた崇徳一族
今朝、
怪異師と呼ばれる祖である、安倍晴明の末裔一族に口外してはならない史実を聞き、怪異師になるように言われたのだ。
(待て待て! もしかして消えた史実を俺に話した理由って…怪異師に誘い込むためだったのか⁉︎)
「
「待ってください! 怪異師って人知を超えた力を持ってるんですよね⁉︎ 僕にはそんな力ないですよ!」
「あるさ。君は特別な存在だよ。
「それに、断れない理由がもう一つあることは察しているだろ? なんたって
(クソッ! 完全にはめられた。詐欺の手口じゃねぇか。でもこれを断れば…殺される雰囲気だよな)
諦めたかのような、やるせ無い返答をした。
「わかりましたよ…今日からお願いします」
「いい返事だね! この後は歓迎会に行かないとダメなんだろ? ちょっと
「特別な存在。アイツが崇徳一族って事なのか?」
「あくまでも可能性の話さ。今朝、彼と手を繋ぐ瞬間があった。その時に感じたんだよ。とてつもない憎悪ね。それに藤原性を名乗り、
もう一つは、呪われた崇徳一族という可能性である。
呪われた崇徳一族とは…?
歴代天皇の中で唯一、怨霊になった人物がいる。それは崇徳天皇である。不遇の中の不遇で人生を終えた人だ。彼は酷く人間を怨み、黄金の天狗となった。多くの人を呪いで殺した後に、自身の呪いを一族に植え付けると姿を消し、その後姿を見た者はいない。崇徳一族は地位を剥奪された上に、呪われた一族として処刑に遭い、根絶やしにされたはずであったが、奇跡的に命からがらに生き延びた者もいた。しかし藤原姓は数多く、崇徳一族が誰かはわからない状態にあった。仮にも
「本当に怪異師にするのか? 崇徳一族と分かった段階で祓うべきじゃ…」
「
「仮にも邪妖怪たちを祓い終わった後は、どうするつもりなんだ?」
「もちろん祓うよ。根絶やしにはしなければいけない存在だ。とりあえずは、邪妖怪を祓うまでは生かしておくつもりさ」
「まだ決まったわけじゃないけどね。もし良かったら友達として接してくれてもいいんだよ」
「断る!」
「じゃあ
「はっ? それは父の仕事なんじゃ?」
「私も忙しいんだ。
外で待つ
「ホントにコイツが呪われた崇徳一族の可能性を秘めているのか?」
♦︎ ♦︎ ♦︎ ♦︎
その後、俺と
その後は親睦会も含めて、軽食を取りながらワイワイした。
と言いたいが俺と
何度か先輩たちが気を使って話しかけてくるが
「なぁ
「俺の名前を馴れ馴れしく呼ぶな」
(なんだよコイツ? そんなに孤独が好きなのか? もっと楽しく生きたらいいのに。なんでそんなに怪異師にこだわるのか俺にはわからん)
「とにかく一般人とは深い関わりは持つな。後悔することになるぞ」
(何言ってんだ? 俺はまだ怪異師でも無いし一般人だぞ)
だが言葉の意味を理解するのは、意外にも早いことを俺は未だ知らない。
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