そうだ。いや、そうじゃないんだけどそうなんだ。いやそっちじゃないんだ。

とても面白い作品で、気が付いたら最新話まで一気読みをしていました。
まず、読んでいて退屈しないような物語の構成が上手いです。ここでこう来るのか!とか、やっぱこうか!といった、意外な展開と想像しやすい展開のバランスが上手いと思います。
テンプレ展開だから想像しやすいのではなく、本文中に程よく散りばめられた多少考えれば分かるレベルの伏線があるからこそ想像しやすいのも評価できます。
こうだよな?こう来るよな?と思わせる誘導がよく出来ていました。
また、違うそうじゃないんだと思わず口に出してしまうようなもどかしい展開が来て、そこで溜まりに溜まったフラストレーションを一気に解放するスッキリする展開が来た時のカタルシスと言ったらもう……
早くこのフラストレーションをどうにかさせてくれ!そう思ってどんどん読み進めてしまいました。
そして極め付けはキャラクターの個性。非常に多くのキャラクターが登場しているにも関わらず、キャラ被りが一切と言っていい程ありません。だからといって平凡なのかと言われればそれも違い、全員キャラがとても濃い。たとえ一瞬だけの登場でも、強く記憶に残る個性的なキャラクターがとても魅力的でした。
そんなキャラクター達が織りなす、コメディ調で時々ダーク。まさに現代ドラマと言うべき作品です。是非読んでいただきたいと思いました。