Vtuberと言う単語で読者を釣っている側面が少なからずある

 この小説は夢を追う主人公の成長を非常に高い完成度で書き上げたものになっている。
 登場人物同士の会話などのやり取りも小気味良くて面白く、物語の展開も無理が無くて違和感なんかを覚えることもない。

 ただひとこと紹介に書いたような面が残念に感じる。
主人公のVtuberとしての活動をメインに置いたものではなく、CGデザイナーを目指す主人公の行動の一つにVtuberとしての活動があるという構成の為、タイトルなどからVtuberとしての活動を中心にした内容を期待して読むと、期待を裏切られた様に感じてしまう。

 勢いのある小説から無作為に選んで読む場合はいい小説に出会えたと言うだけだが、Vtuberでキーワード検索して読み始めた場合には読みたかったものと違うものを読んでいるように感じてしまうかもしれない。