第1話 少女は見えない

私は目が見えない。

両目にタバコの吸殻を入れられてしまったから……


でも私はそれで良かったと思ってる。視力を失った代わりに、大切なものを手に入れた。

だって今まで私に暴力をふるっていた親戚の英二さんや恭子さんは私に優しくしてくれる様になった。


前と違って朝食も用意されている。私は英二さんと恭子さんの事を誤解していたのかもしれない。


私が病院に入院していた時のお金も払ってくれたし、英二さんと恭子さんは本当は良い人なんだと思う。


なんで私に暴力をふるっていたかは分からないけど…それは水に流そうと思っている。


…でも疑問に思う事がある。最近やけに家が静かだ。英二さんと恭子さんは話しかけも何も言わない。それだけが疑問…でも私がイジメの事を話したらギュッと手を握ってくれた。


朝食も食べさせてくれるし、学校の送り迎えもしてくれる。私は幸せだ。

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少女録 NORA介(珠扇キリン) @norasuke0302

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