1章 13話 暴走2

私は驚き床に尻もちを着いた。

なぜなら旧校舎が跡形もなく粉々になっていた。

それだけではなく、地面には奥深くまで削れた穴があり、街は遠くまで崩れていた。

人も倒れていた。

私は何が起きたのだろうと考えていたけど一瞬で頭が真っ白になった。

目の前には姿が変貌した圭の姿があった。

私は一瞬で理解した。

さっきの光は姿が変わった事だと...圭とルシウスの意識はなく身勝手に暴走しているのだと。そんなことを考えていたら私の頭の中に声がした。


「闇の輝石で抑え込むんだ!結界は今の状態の圭で破れるはずだ。輝石の場所はお前の探索能力で見つかるはずだ!」


その声はルシウスだった。


「分かったわ、必ずあなた達を元に戻す!」


私は能力を発揮した。

周りを見渡すと遠くの方に輝石の場所を見つけた。


「裏庭に闇の輝石があるわ!」


私は裏庭に圭を引きつけようとした。


「グゥオオオオオ!!」


圭は雄叫びをあげて私に突っ込んできた。


「やばいわね……なら私も本気を出すしかないわね!」


私は悪魔の翼を広げ、飛んでいった。


「ここまで来なさい!まぁ私の速さについてこればの話だけど」


私は余裕を持っていた。

だけど後ろを振り向くとそこに圭はいなかった。


「ビュン!!」


何かが通り過ぎる音がして前を向いた。

そこに圭がいた。


「嘘? !早すぎるわ!」


「グルルルルルル!」


圭は高くジャンプし、私を殴りつけた。


「きゃああ!!」


私は吹っ飛んだ。

殴られたと同時に周りが破壊されていった。削れていた地面もどんどん深く削れていき、校舎も破壊され街のシンボルのさくらタワーも破壊され街が焼け野原になった。

この状態で生きているのが不思議だった。

私は立ち上がった。


「痛っ!!」


多分さっきの衝撃で骨が折れたのかもしれない。


「早く止めないと!!」


私は最後の力を振り絞り瞬間移動した。


「こっちよ!」


私は輝石の場所にワープした。


「グゥオオオオオ!!」


圭をよく見ると姿はあまり変わっていないけど右手が悪魔のように変化していて右の顔が黒くなっており右目が赤かった。


「ここね!」


私は輝石の前に来た。


「グルルルルルル!グゥオオオオオ!」


圭は拳を振り下ろした。

私はその瞬間避けた。

その時、黒い光が圭を包み込んだ。

結界が破れたのだろう。


「うわっ!!」


あまりにも眩しかったので目を逸らした。

目を開けると元に戻った圭がいた。


「意識が戻った?」


「そのようだな」


ルシウスと圭が元に戻った。


「圭!」


私は叫んだ後倒れた。


「アリサ?!」


俺はアリサを抱いた。

触った時分かった、アリサは俺を救うために無理したんだと、骨の何本か折れていた。


「どうすればいいんだ街は治せるがアリサや犠牲になった人達は……」


困っていた時ルシウスが口を開いた。


「俺には回復能力があるから安心しろ」


「本当か?」


俺は喜んだ。

そう言うと俺はルシウスの魔力を少しだけ使い街を修復し、人々も元に戻った。当然アリサも元に戻った。


「圭?」


アリサが目を覚まし喋った。

俺はそれに応えた。


「ありがとう。お前のおかげで元に戻れたよ。」


「なんてことないわ、やることをやっただけよ」


「だがまた暴走するかもしれない。」


俺は心配だった、その時ルシウスが俺に言った。


「心配すんなお前の体内に闇の輝石が宿っている。結界を破ったあとお前の体内に宿った、これがあれば魔力を自在にコントロールできるはずだ。さっきみたいに街が焼け野原になることは無いぞ。」


「なら安心だ。」


俺達が話をしていた時だった。何かが俺達を狙ってきた。

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