1章 12話 暴走1

「くそ!ここはどこだ?たしか俺は意識を失ったはず?」


たしか俺は意識を失ったはずだ。

それに体が軽い、俺は何が何だかわからずただ立っていた。

その時、聞き覚えのある声がした。


「やっと気が付いたかおせぇぞ」


「え、お前ルシウスか?姿を見たのは初めてだなぁ〜でもなんでお前がここにいるんだ?」


「多分ここはお前の記憶の中……俺たちは意識を失いここに記憶だけ移動したってことだ要するに幽体離脱みたいなもんだろ?」


「じゃあ俺の体はどうなったんだ? !」


「それは俺にもわからねぇ、だが言えるのはお前は今無意識に暴走しているということだ。」


俺は一瞬で理解出来た、俺の中に眠る魔力が一気に放出したのが原因じゃないのかと


「暴走しているということは俺の魔力が溢れ出したということか?」


「多分な……それだけなら問題ないが俺も意識を失った。ということは俺の魔力とお前の魔力が一つとなり溢れ出したってことが正解かもな」


「それじゃヤバいじゃねーか!」


俺は考えた。

初めてルシウスと一緒に戦った時、敵を一瞬で吹き飛ばした。

それは俺の力でだ。

だが今俺の力とルシウスの力は一体化した。つまりあの時よりものすごく強大なパワーを持っているということ。

それに今の俺たちだとどうすることも出来ない。


「ああ、だが今の俺たちを止める方法があるぜ、魔力を抑えることだ。」


「魔力を抑えるか……だが今の俺達じゃどうすることも出来ないぞ?」


「俺たちじゃどうすることも出来ない、だが一人だけ抑えられるやつがいるだろ?」


「アリサか!アリサなら止められるはずだ」


俺は安心した、アリサなら暴走した俺たちを止められるかもしれない


「でも抑えたとしてもまた暴走するんじゃ?」


「それは大丈夫だ!俺らの魔力を一定に保てる方法を俺は意識を失った後、アリサにその方法をできる限りの力を出して教えた。時間差があるからなぁ〜今頃アリサに伝わったはずだ。」


「どういうことだ?」


流石の俺でもそこまで理解ができなかった。


「闇の輝石をお前の体内に宿す。そうすることによって魔力を抑えることが出来るはずだ。輝石にはその力を抑えたり発揮する力を持っているって聞いたことがある。」


「そうか!それを使えば俺たちの暴走は収まる。だが輝石の周りには結界が貼ってあるんだろ?どうやって出すんだよ」


「結界を破るなんて簡単だ!俺らの力を使えばいい。アリサには探索能力があるらしい。それを使って輝石の場所を把握し結界の近くまで行き、俺らの力で結界を破る」


「それに賭けるしかねぇな」


俺たちはアリサに賭けた、そして俺たちの知らないところでとんでもないことが起きていた。

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