1章 5話 忍び寄る者

俺がルシウスと同化してから1週間がたった。未だに力をコントロールできていない。

それに、戦った時に変化した右手の事も少し気になっている。多分それはルシウスの力が原因なんじゃないかと思う。


「ったくなんなんだここは、騒がしいな。」


「仕方ねぇだろ、学校なんだから!てかさ、あんま中で話すなよ?こんな独り言なんて見られたら変なやつだと思われるしよ。それにしてもどうやって会話すればいいんだ?」


「慣れだよ慣れ、慣れろ」


「慣れろ、慣れろばっか言うな気持ち悪い。」


俺は独り言を言いながら淡々と廊下を歩く。おかしな目で見られないか冷や冷やしながら。

すると窓の外を見ていた龍牙が話してきた。


「よお圭、お前昨日どこ行ってたんだ?」


「悪いな龍牙ちょっと急用を思い出してよ〜」


「おい、圭こいつは誰だ?」


「こいつは、龍牙っていう幼馴染だ。いつも筋肉のことにしか頭がない筋肉バカ野郎だ。頭の中は脳みそじゃなくてプロテインが詰まってんじゃねぇかって思うくらいアホだ。」」


「そうなんだなぁ〜」


「お前、誰と何話してんだよ?お前大丈夫かよ、独り言ばっか言ってると多重人格者だと思われるぜ?」


「すいません!!誰かロキソニン10錠お願いします!」


「まじ気をつけろよ?」


「ん⁈」


龍牙と話しているとルシウスが何か感じたのだ。


「どうしたルシウス?」


「なんかつけられてる気がすんだよな」


「んなの、お前わかんねえだろ」


その時、なにかが横切るような感じがした。


「たしかにつけられてそうだな、気を付けねぇと」


「気をつけろよいつどこで俺達が襲われるかわからねぇんだ。呉々も学園の連中を巻き込むな。」


「わかってるよ、俺は青海圭様だぜ?」


1人で勝手に盛り上がってるところ急に大きな声で話しかけられた。


「おい圭〜何一人で変なことやってんだ?行くぞ〜」


「ああ...っておい龍牙!それ俺が貰ったロキソニン飲むんじゃねぇ!!」


たしかに、何かが俺たちの後を追っていた。

そして翌日その正体が分かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る