1章 2話 青海圭
クラス替えをして、1ヶ月が経った。
「疲れた、やっと終わったぜぇ〜板書めんどくせぇ〜1番後ろの席は見ずらいぜ。そういえばもう屋上行けるんだよな?せっかく行けるんなら一休みしていくかなぁ〜あそこの柵古びてたらしいから工事してたんだよなぁ」
俺が屋上に向かおうと席を立とうとした時、隣の席の龍牙が声をかけた。
「おい圭、どこ行くんだ?今から理科の実験だぞ?」
「屋上だよ、ちょっと一休みしようかなぁと思ってな!初めて屋上に行けるんだぜ!1人で風を感じたいなぁって思ったんだよ!」
この時俺はカッコつけたかったのかわからなかったがドヤ顔をしていた。
「あのなぁ〜まだ新しいクラスになって1ヶ月しか経ってないんだぞ?急に授業サボったら変な目で見られるぞ?」
「そんな事どうでもいいだろ、別に毎日サボってるわけじゃないんだからよ。それにこういう時間しか屋上独り占め出来ないんだぜ?」
「それどこ情報だよ。そんなこと思ってる暇があるならお前も筋トレしろよ、筋トレはいいぞ〜毎日の疲れを筋トレで癒す!こんなにいい事は他にないからな!」
すると龍牙はカバンから5キロのダンベルを取り出した。何故こいつは常にダンベルを持ってるんだろうかと俺は思った。
「また筋肉の話かよ、お前ほんと好きだよな筋肉。もう筋肉と結婚しろよ」
「何言ってるんだよ、筋肉と結婚とかお前頭おかしいんじゃないのか?」
そんな引くような目でこちらを見ないでもらいたい。俺は冗談で言ったつもりなんだが……龍牙とバカげた話をしているともう既に5分経っていたことに気がついた。貴重な10分休みをこんな筋肉バカとの話で終わらせたくなかった俺は龍牙との話をやめた。
「んじゃあ俺は屋上に行ってくるわ!貴重な時間をお前との話で無駄にしたくないからな。俺が授業に間に合わなかったらその時は何とか言い訳してくれ頼んだぜ相棒!!」
「何が相棒!!だよ……ったくめんどくせぇなぁ」
そして俺は急いで屋上に行き1人であることを感じた。
「はぁ〜やっぱ1人だけの時間て最高だな〜しかも屋上を独占するっていいわ〜」
休み時間が長ければ良いのにな〜と歩きながら空を見上げようと柵に寄りかかった時だった!!
「ガチャン!!」
「は?!」
俺が寄りかかった柵はボルトをしっかりと固定していなかった。
そこから俺はバランスを崩し足を滑らせ落下した。
「嘘、俺今落ちてる?!」
俺はここで死ぬのか……彼女もいないまま死ぬのかよ……そして俺は死んだ……はずだった。
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