普通の生活を送ってきた高校生が突如強い堕天使と同化して最強になるために奮闘する。

ガルブロス

1章 1話 始まり

 桜の花びらが舞い散る春の校庭。掲示板に群がり、自分のクラスを確認する生徒たちを前にして、俺は新学年の訪れを実感した。


「よし! 俺は今まで通り普通に暮らして、普通に過ごすぞ!!」


「またそんなこと言ってるの、圭」


「げ、アリサ」


アリサは俺の幼馴染だ。


「普通なんか目指すべきではないわ。目指すべきはトップ。そう、財力も実力も!」


「はぁ」


「相変わらず湿気た面をしてるわね。私の話がつまらないとでも言いたいの?」


「いや。ただ俺とは価値観が合わないと思っただけだ」


俺とアリサは、腐れ縁という奴だ。俺は何故かこいつに逆らえない。きっと、押しがやたらと強いからだろう。


「よ、お二人共。新学期早々お盛んだな」


「「誰が!」」


 そこにもう一人、制服が弾け飛ばんばかりの筋肉を誇る男が割って入ってくる。龍牙だ。彼も幼馴染の一人である。


「おいおい、2人揃って大きい声出すなよ!周りのヤツらが見るだろうが!」


龍牙は俺達を見ながらそう言った。確かに周りはこちらを見ていて少し恥ずかしいと思った。


「それより龍牙……また余分な肉が付いたんじゃないか?」


「余分なわけないだろ!これはしっかりとした筋肉だ!お前も筋肉つけないとすぐに倒されるぞ?どうだ、後で俺とジムに行くか!今朝はな10km走ったんだぞ!!見ろ俺のこの脹ら脛を!!もうパンパンだ!」


「え、遠慮しとくわ……」


龍牙はそう言うとズボンの裾を膝まで上げ俺に脹ら脛を見せようとしてきたので俺は苦笑いしながら断った。そして龍牙から一刻も早く距離を取ろうと掲示板の方に走り出した。生徒が沢山いる中俺は自分の名前が書かれているクラスを確認した。


「お前らと同じクラスにならないように願ってたんだけどそうはいかないよなぁ」


「うわぁ〜また圭と同じじゃん!」


「あら〜偶然ね……私達3人とも一緒じゃない!」


「嘘だろ、またこいつらと同じかよ!」


何故またこいつらと一緒になったのだろうと思いながらも新しいクラスに馴染めるよう頑張ろうと思った。


そして俺たちは新しい教室に向かうため歩いた。これから俺の新しいスクールライフが待ってるはず!この時はそう思っていた。あの事件が起きるまでは……

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