探偵と助手の合流

「お、フラン。こんな所に居た」

「リュクレーヌ」


二人が廊下で話しているところに、聞き込みと捜査を一通り終えたリュクレーヌとシフ、タブが現れた。


「デル!お前また勝手に行動して!」

「もう、何処か行くなら声かけてよ」


シフとタブはデルを叱る。叱られたデルはというと「あはは、ごめん、ごめん」と言いながら、頭を掻いた。


あぁ、そういえば。リュクレーヌはフランに問う。


「もう大丈夫なのか?」

「うん、現場にさえ近づかなければ……それより、何かわかったの?」


どうやら現場の臭いがしなければ大丈夫だそうだ。

今度は反対にフランが問う。


「害虫駆除の依頼方法。くらいかな」


「もしかして、壊れたポストに依頼書を入れるってやつ?」

「え?何で知ってるんだ?」


聞き込みの場に居なかったフランが、害虫駆除のシステムを知っていた。

リュクレーヌにはその理由が分からない。


「デルさんが言っていた。知る人ぞ知る都市伝説みたいだよ」


「ふうん。だからチャート先生も知っていたのか」

「チャート先生?」


フランはリュクレーヌの口から聞き覚えのない名前を耳にして、首を傾げる。



「担任だよ。被害者のクラスの。何でも生徒達の噂を聞いていたらしい」


「あぁ、結構いろんな人に知られている話なんだね。僕は知らなかったけど」

「まぁ、ここ最近の話だからな。」


そもそも、害虫駆除という名の殺人鬼に依頼があるというのに、どうしてうちには依頼が来ないんだ。と文句を垂れながら、リュクレーヌは頬を膨らませた。


「おい、何かわかったか?」

「あぁ、ラルファさん」


ラルファも現場から皆の元に合流した。捜査の進捗を聞かれたリュクレーヌは顎に手を当てて、考え込む。


「……そうですね、とりあえず一度全員を教室に集めてください」

「!?」


突然の招集に一同は驚いた。


「あ、現場以外の教室でお願いします」


現場は駄目だ。フランに気を遣って、現場以外の空き教室を確保し、関係者を全員集める事になった。


「ちょっと!リュクレーヌ。犯人わかったの!?」


相変わらず、どういう事だか分からない。フランはリュクレーヌに問いただす。


「まぁ、見とけ。教室で全部説明するから」


一体何が始まるのだろう。全く予想がつかない思考に、フランはまた、頭を抱えた。

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