ディナーと成果報告

「はい!本日の成果報告~~!」


四人は探偵事務所に集合。

リュクレーヌは拍手をして場を盛り上げる。


「何このテンション……」


成果報告と言っても、解剖の結果と聞き込みの結果だ。クレアは少し引き気味だった。


何とも言えない空気の中、ふんわりと野菜の優しい香りがする。

夕食の準備ができたようだ。


「ご飯できたよー」


「やった!フランの飯!」

「リュクレーヌ、つまみ食いしないで」


本日のメニューは野菜たっぷりのポトフとアンチョビのガーリックトースト、ルッコラとチキンのサラダだ。


「そうだ、それで今日の報告」


ガーリックトーストをつまみながらリュクレーヌはブラーチに報告を急かす。


「検死の結果は、死亡推定時刻の特定ができた」

「ふーん、いつだった?」


「二月十四日と二月十六日」


「は?」


この結果には流石にリュクレーヌも聞き返す。死亡推定時刻が二つ?


「首の死体と胴体の死体で死後硬直の状態が違っていた。胴体の方は硬直が解けていて、首の方はまだ硬直していたんだ」

「あの」


「そのため、どちらかの死亡推定時刻が正しくてどちらかが誤りであると考える。」

「その特定もしなきゃいけないのか。で、死因は?」

「あのー……」


死因を聞かれてブラーチは少し気まずそう。まだ曖昧なままだから。


「死因は心臓を刺されたから……ではないと考えられる。ナイフは心臓まで到達していなかったんだ」

「へぇ、じゃあ別にあるのかもしれないのか」

「あぁ、恐らく切れた首のところに……」


ブラーチが言おうとした時だった。


「あの!!!!」


大声と共に、ばんっ!とテーブルが叩かれる。


「ご飯食べるときはこの話やめません?」


引きつった笑顔でフランがいう。


しばらく、ブラーチもきょとんとしていたが、やっとフランの言いたい事が分かり、はっとした。


「あぁ、すまない!悪かった……」


申し訳ない事をしたと慌てて、謝る。


一方リュクレーヌは能天気に笑ってフランの肩を叩いた。


「大丈夫だって!フランの作るご飯はどんな話しても美味しいから!」

「そういう問題じゃなーい!」


デリカシーないな、とフランはあきれ顔。


それでは先に夕食を済ませてしまおう、と話は中断。食事に手を伸ばした。

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