第5話 追手が来た!
2人で話しながら歩いていると小さな公園に差し掛かったが、公園全体が小山のような物体に覆われていた。
「あれ・・・何?」ちひろが思わず後ずさった。
特大の蛇だ。家一軒並の大きさがある。鱗は硬い金属のようなものに覆われていた。
グギャアと口を開けて、威嚇してくる。
「レアル・・・この蛇、私たちを狙ってるんじゃない?!」
「わかってる」
レアルは、冷静に答えると、ぐうううう、と唸った。
レアルは大きな黄色い鳥に変化し、お腹のひだがぐんと伸びたと思うと、ちひろを抱え込んだ。
バサバサと翼を動かすと、風が起こり、蛇が怯んだ。
『シャアアアアアア』
蛇は体勢を整えた。
レアルは、空中で少し止まったと思うと、蛇の喉元につかみかかりに行った。蛇の目がぎらりと光った。
蛇は体をくねらせてそれを避け、さらに食いつこうと鎌首をもたげ、鳥の足に絡みついた。
グルルルル、とレアルは鳥らしからぬ声を上げた。嘴で攻撃に出たかと思うと、蛇の喉笛を食いちぎった。
一瞬やったかと思ったが、蛇の方は、少したつと頭がもりもりと再生した。
「うわ、再生したよお!」
シャアアアアと蛇がまた鎌首をもたげる。
レアルは鳥になるのをやめた。
「魔法で対決だな」
レアルが両手を合わせ、横に開くと剣が現れた。
それを右手に持ち替えて構えると、レアルは蛇の正面に立った。
「ちひろ!離れていろ!」
蛇が再び襲ってきた時、レアルは飛び込んで蛇の頭に剣をぶっ刺し、地面に串刺しにした。
「ケニャルシカ!」
レアルがそう唱えたとき、蛇の頭が破裂して飛んだ。
蛇が巨体をぐたりと倒した。しゅううう、という音とともに、頭のない人間の姿になった。
ちひろは思わず目を逸らした。
「ちひろは慣れてないからね」
レアルは剣を払って横にすると、抱え込むように手を閉じた。剣は手のひらに吸い込まれていった。
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