第3話 兄妹なら助け合い? おかしくないですかね
私達は、手近な荷物をまとめて、その日の夜、実家に戻りました。
お父様、お母様、お兄様に驚かれてしまいましたが、事情を話すと、快く受け入れていただきました、旦那様を見る目が少々冷たかったのは、仕方がありませんね。
翌日、義妹が血相変えて、私の実家に飛び込んできましたが、もう遅すぎます。
私の顔を見るなり、なんで昨日は何も言わずに帰ったのか、あの後大変だったが、バルミア商会の者を呼び寄せて何とかしたから、お金を払っておくようにと言われました。
どこまで、自分勝手な人なのでしょうか? 昨日のあなたの態度が、どれほど失礼なものだったのか、今までにも、義姉と散々好き勝手にやらかしてきた後始末をするつもりがないことを、はっきりと伝えました。
そして、貴族位を返上したことも伝えたところ、大変びっくりして、そうだ、税金は払ったんでしょうね?と確認されました。
自分の兄が貴族位を返上したことより、気になるのは税金なんですか? 払う訳ないでしょう。
それに義姉が好きにやりたかったせいで、旦那様は正式に爵位の継承を行っておりませんでしたから、爵位の返上は手紙1枚で済みました、超特急で王宮まで届くようお父様にお願いしたので、あと2~3日で受理されると思います。
そう伝えると、結婚を控えてるのに、どうすればいいのかと、今度は泣き落とし?
税金を払わなければ、貴族位が返上されてしまい、結婚出来ない、税金を払えば結婚の準備をするのに、お金が足りない、とメソメソ泣いてますが、知りませんよ、そんなもの。
ってか、税金払えるだけのお金は貯めこんでたんですね、義母から督促状を見せられ、貴方に相談した時、返された言葉、私、忘れてませんから。
「そんなもの、私に見せてどうするの? 結婚相手の事を良く調べもしなかった貴方が悪いんでしょう、税金払われてなかったなんて、私、知らないし、私は貴方と違ってじっくり準備してるからね、自分達の責任をおしつけないいでね、迷惑だわ。」
そう言いましたよね、
「自分の責任は、自分で支払え、貴方は私にそう言いましたよね、その言葉、そっくりそのまま返します。」
私を睨みつけてますが、まさか、怯むとでも思ってるの? 笑っちゃうわ。
「お兄ちゃんは、私を見捨てたりしないよね、兄妹だもん、困ったことがあったら助け合うようにってお父様も言ってたよ。ね、覚えてるでしょう?」
散々、利用するだけ利用しておいて、良く言えるわね。
そして、黙っている旦那様を見て、私に振り返ります。
「わかったわよ、謝ればいいんでしょう、謝れば! ごめんなさい! ほら、謝ったんだから助けてよ。」
どこまで、バカなんでしょうか? 人間ですか、この物体は? もう何も言うことはありませんね。
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