第2話 やりすぎはダメですよ
ある日、お義母様に呼ばれてお部屋に伺うと、一通の手紙を渡されました。
中身を確認すると、督促状でした、はあああ、
去年の、納税がされていない、一月の間に収めなければ、男爵位の剥奪というものでした、すぐに旦那様に問い詰めましたが、家の事は、全て姉がやっていたので、知らないと、 ・・・知らない?
もう、ご結婚されていらっしゃるお姉さまに全て任せるなんて、ご自分は何をされていらっしゃたんでしょう?
姉が母の面倒を見てくれていたから、全て任せていたと。
面倒を見てる? 具合が悪い訳でもありませんし、一緒に遊んでたの間違いですよね、それで、家のお金を自由にしてたと言う事ですよね。
先日もご一緒に観劇に行ってらっしゃって、なにやらイケメン役者のグッズを大量に買い込んでましたよね、それすらも、貴方の目には結婚をしてからも母の面倒を見てる献身的な姉なんですか?
あっ、やっとわかっていただけました? ご自分の家族が私達を食い散らかそうとしている寄生虫だと、言葉など飾っても仕方ないですよね、まあ、もちろん、旦那様には、もう少しソフトに伝えてはおりますよ。
いくら、事実でも、相手の家族の悪口はいけません、事実をありのままに客観的に伝えるのがよろしいのですよ、
私は、そう教わっております。
今度は、義姉と義妹に私だけ呼び出されました。
母の誕生日が近いので、プレゼントを買って欲しいと言われましたが、なんで私が?
今まではお二人で買ってらしたそうですが、実の子供より嫁である私が差し上げたほうが喜ぶからと、そして、毎年渡すタイミングはとても重要だから、買ってきてくれたら、自分達が渡すらしいです、しかも、王都の人気デザイナーのバッグを指定してきました。
絶対、自分達からと言って渡しますよね?
結婚のお祝いの御品も、義姉が遊びに来ると少しづつ減っていきますしね。
義姉は結婚してますが、義妹は婚約者がいらっしゃいますので、とっとと出て行って欲しいものです。
そして、遂に旦那様が激怒する出来事がおこりました。
ある日、湖の別荘に義妹から呼び出されました、婚約者と湖で遊んでいたのですが、お金が足りなくなったので、至急、貸して欲しいと。
私の旦那様は、呼び出されたぐらいでは怒りませんでしたよ、呆れてはいましたが、でも、婚約者と喧嘩でもされたら面倒です、早く出て行って欲しいんですから。
ですが、別荘の近くまで来たら、婚約者がヴァイオリンを弾いているので、弾き終わるまで別荘の外で待つように言われたんです、弾いてる途中で誰か入ってくると気が散るからからだそうです。
なんで、お金を持って駆け付けた私達を外で待たせることが出来るのでしょうか?
これには、流石の旦那様もブチ切れました、そして、お金を渡さず屋敷に戻り、母親に今回の一件を相談したのですが、
「あの子は、昔から言い出したらきかなくて、私にも怒鳴るんですもの、注意なんてしたら、何を言われるのかと思うと、私からは、何も言えないわ、でも、本当は優しくていい子なのよ、分かるでしょう」
「バルミア家は、お金に不自由したことが無いからわからないかもしれないけど、お父様が亡くなってから、あの子達もいろいろ我慢しているの、だから、今回はあなた達が我慢してね。」
あの、寄生虫は貴方が作り上げたんですね、よーくわかりました。
私達は、貴族の爵位を捨てて、実家に戻ることにいたします。
あそこで、怒らず、なあなあになっていたなら、旦那様ごと捨てるつもりでしたけどね。
こんな家族からは逃げるに限ります、話し合い? 時間の無駄ですわ。
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