最強の無限

nitonei

第1話 見知らぬノービスヒーロー

作者:じろうでふ

編集:nitonei


ハッと起きるとマイクリの世界にいた。

起きるとまるでいつも通りのように平和だ。自分はウォリアーと呼ばれていた。

生活の仕方は身体が覚えているのか、特に不自由はなかったが、何か重要なことを忘れている気がしていた。

一つ違和感を覚えたことは、この世界には名前という考え方がなく、みんながウォリアー/アーティスト/タクティシャンのどれかを名前として呼び合っていることだった。

ふとしたある日、ウォリアーはあるアーティストとタクティシャンに出会う。


アーティスト「お前さん、気づいてるな?この世界の違和感に。」

ウォリアー「なんのことだ?」

タクティシャン「自覚ないのか。あんたは他と目が違うんだよ。なんかおかしいと感じてないか?この世界」

そう、この二人は、周りの他のウォリアー/アーティスト/タクティシャンと何かが違っていた。

話し込んでいると、村の入り口付近が何やらがやがやしていることに気づく。


〜村の入り口〜

来訪者A「ごめんくださいよーっと!」

明らかに異質な来訪者に村がどよめく。格好もなにもかもが異質なのだ。来訪者Aに続き、見たことのない者が4名続く。

来訪者A「あたしは孫。孫尚香ってんだ。こいつらはダビデ、諭吉、パスカル、雷電...っていきなりすぎるか。誰か話せるやつはいるかい?」

皆がどよめく中、例のウォリアー/アーティスト/タクティシャンが通りがかる。

3人「なんだあいつらは...!?」


〜見知らぬノービス〜

3人「あなたたちは...?」

孫尚香「お、あんた話せそうか。どうも他の奴らは話が上手く噛み合わなくてな。なに、敵意は全くない。ちょいと飲みながらでも話せないか?」


ウォリアー「(おい、やっぱりあいつらも...)」

アーティスト「(そうだな。話を聞こう)」


ウォリアー「わかりました。うちへどうぞ。」


〜ウォリアー邸にて〜

孫尚香「さてと。何から話すか…」

パスカル「私から話しましょう。貴方は雑すぎるので。」

ダビデ「間違いないな」

雷電「…」

孫尚香「ま、たしかにな。パスカル頼むわ。」

パスカルは話し始めた。


〜自我の目覚め〜

パスカルは話し始めた。この村の外にはエネミーと呼ばれるやつらがいること。

そして彼らがそいつらを狩って隣の村から来たこと。

彼らの村にもウォリアー/アーティスト/タクティシャンがいるが、そいつらはここの村の住人同様、目に光がなく自我がないことを。

パスカル「あなたたちのような目のウォリアー/アーティスト/タクティシャンは初めて見ましたよ。」

ダビデ「全くだ。皆機械のようだった。いるものだな。旅は良い。」

パスカル「ダビデさん相変わらずですねぇ。続けますね。」


〜ネームドの存在〜

パスカル「我々も実は同じことを経験したことがあるんです。我々の村には、ラクシュミーという王国の騎士団長が来ました。村の周りには強いエネミーがたくさんいるにも関わらず、一人颯爽と現れました。我々は4人でやっと戦えるのに、です。雰囲気も含め、私たちとはすごく違うものを感じました。」

ウォリアー「ラクシュミー...聞いたこともないな。というか、我々はそのような呼び方を知らない。」

パスカル「ラクシュミーは、呼び方ではないのです。名前という、固有名です。」

ウォリアー「名前...?」

パスカル「そうです。名前と言います。話を戻しますね。ラクシュミーはうちの村を気に入ったらしく、後日グリムという兄弟とライトという兄弟を連れてきました。その方達も、我々とは違うものを感じました。我々は、名前がついている人を、ネームドと呼びました。」


〜自我のあるノービス〜

パスカル「ラクシュミーさんが言うには、ラクシュミーさん達の村には沢山の孫尚香/ダビデ/パスカル/雷電がいるというのです。そして彼らの村の私たちは、ここの村のあなたたち以外の皆さんと同じように、目に光がないとのことでした。驚きました。」

ウォリアー「どうゆうことだ?俺たちも、いやあんたたちも、何なんだ?」

パスカル「私たちもまだわかっていないのです。我々が誰なのかを。だから、旅に出てみたのです。他に自我のある私たちのような存在もいるのではないか、と思ってね。」

ダビデ「するとここで君たちに会えた。旅はいい。」

パスカル「実は、ラクシュミーに言われていたのです。我々のような自我を持ったノービスが他にもいるはずだ。出会えたら知らせてくれ、と。ここで出会えたことを知らせなければいけませんね。雷電、ラクシュミーからお借りしたセットを出してもらえますか?」

雷電「…(ゴソッ)」

ダビデ「私が書こう。このペンでスクロールに居場所を書いて、ル―スターに括り付ければいいのだな?」

パスカル「左様。数日中にはいらっしゃると思います。今後どうするかは、ラクシュミーの話を聞いてから決めましょう。」

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