【連載再開!】【書籍化&コミカライズ】ポイントギフター《経験値分配能力者》の異世界最強ソロライフ ~ブラックギルドから解放された男は万能最強職として無双する~
【追放者サイド】北の山脈に暗殺部隊を差し向ける
【追放者サイド】北の山脈に暗殺部隊を差し向ける
「ぐあっ!」
ギルド「栄光の光」の鍛錬場での出来事であった。一人の男が吹き飛ばされた。
闘っていたのは剣聖ルナシスである。彼女の剣は流麗であると同時に豪快でもあった。相手の男を一切寄せ付けず、圧勝した。
「い、いやぁ! 流石は剣聖ルナシス様! 素晴らしい剣の腕前です!」
クロードは手放しに絶賛した。そうせざるを得ない。闘って負けたのはギルド員なのだ。そこを否定すると自らのギルドが劣っていると認める事になる。
「そうでしたか……」
ルナシスは詰まらなそうに呟くのみであった。実際落胆しているのであろう。だが心優しい性格だからか、「この程度」とまでは口にする事はしない。
だが何となくその気のない表情からそう思っている事を察する事ができた。
ドロシーはクロードを陰に連れ込む。
「どうするのよ! いくら剣聖ルナシスでも一方的にやられすぎじゃない?」
「そ、そうだよなぁ。流石は剣聖ルナシスだけど、ボコボコにやられすぎだよな。俺達の『栄光の光』だってトップギルドなんだぜ。当然そのギルド員だってトップクラスの戦闘要員だってのによ」
「全くですね。これでは我々『栄光の光』の威厳を保てません」
そうカールは呟く。
「全くだ! その通りだ!」
ボブソンが語る。
「ボブソン、お前いくか?」
「いや、俺は遠慮する!」
「なぜだ? 相手が剣聖ルナシスだからビビってんのか?」
「い、いや。そうではない。それもあるかもしれない。だが何となく俺は嫌な予感がするんだ」
「嫌な予感か……」
クロードは呟く。
「それでクロードさん」
「はい!? なんでしょう! ルナシス様!」
「フィルド様はいつお戻りになるのでしょうか?」
「も、もうすぐです! もうすぐ帰ってきます! あいつは今長めの休暇をとっていて!」
クロードは冷や汗を流していた。
「そうですか。早くお戻りになられればいいのですが」
「どうするのよ! いい加減誤魔化しきれないわよ!」
「そ、それもその通りだ。やり過ごすのにも限界がある!」
「クロードさん! ドロシーさん! 聞いてください!」
カールが慌てて駆け寄ってくる。
「今情報が入ってきました! フィルドの奴、北の山脈に向かっているそうです。王立の冒険者ギルドからそう連絡が入ってきました」
「北の山脈だって!?」
「これはチャンスじゃない!? クロード!?」
「チャンス!?」
「フィルドの奴、もう死んだって事にすればいいんじゃないの? そうすればポイントギフターのフィルドにご執着の剣聖ルナシス様も諦めてくれるんじゃない?」
ドロシーはその性格の悪さが滲み出た、意地悪な笑みを浮かべた。
「そ、そうだな! そいつは名案だ! 死人に口なし! あいつはなんだかんだ自分からギルドをやめていって、それで北の山脈でのたれ死んだって事にしちまえばいい!」
「ええ! その通りよ!」
「でもよ。あいつをどうやって殺すんだ!?」
「決まってるじゃない。私達はトップギルド『栄光の光』のメンバーよ。あんなポイントギフター一人始末するの簡単な事じゃない!?」
「そうだな。その通りだ。俺が行こう」
クロードが名乗り出た。
「わかったわ。クロードが行くなら安心ね。私も行くわ」
ドロシーが名乗り出た。
「ふっ。我が『栄光の光』のツートップ。最強にして万能の魔法剣士クロード殿と最強にして強大な魔力を持つ大魔導士ドロシー殿がタッグを組めばあんなポイントギフターの雑魚一匹、一たまりもありません」
カールは眼鏡をくいっとあげて言う。
「そうだな! なにせこの二人は我がトップギルド『栄光の光』のツートップ! 数々のモンスターを倒してきた伝説的タッグなんだからな!」
「へっ! あんな雑魚ポイントギフター! 瞬殺してやらぁ!」
クロードは意気込む。
「私まで必要ない。クロードだけで十分だと思うけど。念には念をって事で同行させてもらうわ」
こうして二人はフィルドの暗殺を目論み北の山岳地帯へと向かっていく。二人は余裕しゃくしゃくだった。
だが二人はかつての強さがポイントギフターであるフィルドの恩恵だったとは。
この時はまだ知る由もなかったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます