第5話 1年目 高校1年生 Uー16

7月

学校はすでに夏休みに入っていた。

Aチームは夏休みそうそうにユース年代にとって重要な大会の一つとなる


『日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会』


に参加していた。

日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会とは、

日本の将来を担うユース年代のサッカー技術の向上と健全な心身の育成を図るとともに、クラブチームの普及と発展を目的として実施されている。

毎年7月下旬に約10日間ほどかけて行われており、全国9つの地域の代表32チームが出場することになる(北海道1、東北3、関東11、北信越2、東海3、関西4、中国3、四国1、九州4)。

そして32チームをA ~Hまでの8グループに分けグループステージを行い、各グループ上位2チームがノックアウトステージに進出する。

大宮アルデンテユースは関東の11チーム目として参加することになっていた。

大会に参加すえう登録選手数は18名だ。

埼玉県サッカーリーグでは2戦連続でゴールを決めていたかいもあってか、小野くんとともに登録選手となれた。ちなみに1年生からはもう1人登録されているのだが、ユース加入当初からAチームに帯同していてプレミアリーグにもボランチのポジションで出場している逸材・黒河くんだ。


今のステータスは

LV:5

◆ステータス

攻 撃 力:B・80

守 備 力:G・26

テクニック:F・36

パ ワ ー:B・80

スピード :D・41

スタミナ :C・64

◆スキル

【点取り屋】【天才】【フィジカルモンスター】【途中出場】【空中戦】

【ヘディングLV1】【ケガしにくい】【デスマルケ】【決定力】

◆スタイル

【ストライカー】


新しいスキルが自然と発生していた、これは試合の中での経験がスキルという形となって現れたのだと思う。


【デスマルケ】

一瞬の瞬発的な動きによってマークを外し、時間とスペースのアドバンテージを得る


【決定力】

シュートの精度が高まる


これでスキルは自然と生まれることがあることがわかった、ちょっと前までスキル優先って思っていたんだけど訂正訂正。ステータスの向上、特に攻撃力とパワーを上げてきたので『B』となった。

それと、特定のチームメイトとの信頼が高まったからなのか、小野くんのステータスが見れるようになった。


小野心(16)

ポジション:MF

LV:6

SP:30

◆ステータス

攻 撃 力:C・64

守 備 力:E・45

テクニック:B・86

パ ワ ー:E・41

スピード :D・54

スタミナ :C・60

◆スキル

【スルーパス】【ファンタジスタ】

◆スタイル

【トップ下】


ステータスの総合値は今は小野くんの方が優れている、ポイントは割り振れないみたいだけど、付与されているということはいずれその機会が来るんだと思う。


今年の大宮アルデンテユースは3年生が主体のスタメンにおいて1年生ながら既に

ワンボランチとしてレギュラーの座に定着している。

1試合目の京都ユース、2戦目の熊本ユース相手に勝利し2位以内を既に確定しているため3試合目に小野くんとともに出場させてもらうことができた。


「今日もアシストよろしく。」

「全国大会だからいつものタイミングより早くするよ。」

「りょ。」


マッチアップした相手のセンターバックは必ずペナルティーエリアの外でマンマークにくる。常にマークとボールが両方見える位置に体を置き数的不利な状況にならないことを意識されていた。

これが全国大会、全国レベルの当たり前、練習で相対する先輩ディフェンダーだって全国クラスのディフェンダーなんだけど、大会という緊張感がお互いにアドレナリンが出て好パフォーマンスとなっているのだろう。

相手のマークを外す動きを繰り返し繰り返し行うもこの日はきっちりと体を寄せられて仕事ができないでいた。悔しいが今のままではだめだ。今は足元に楔のパスをもらってサイドに展開しつつサイドに流れて数的優位をつくり味方のチャンスにつながる動きを見せて、少しでも油断してくれたらいいんだけど。今日はきっとワンチャンスとなるだろう。でもそこで勝負して決め切らなければ次のチャンスはない。

自分が本当に受けたいスペースとは逆のスペースへ一度動き出すひと手間をかけた。背後で受けるために、足元にボールを要求してから、裏へ飛び出した。


「(感じてくれ!)」


相手よりも良いポジションが取れている、スピードを緩めずゴールへ向かってダッシュ、ディフェンダーの寄せが甘くなった、ここはダイレクトプレー、左足を伸ばして

キーパーとのクロスプレーとなる前につま先にヒットしゴールを決めた。



〜 ベンチ:黒河 〜


「あのフォワードの1年やるな。」

「マッチアップしてるの代表のセンターバックだろ。」

「ワンちゃんだったけど、そこを決めるか決めないかだ。

 あいつは決められる選手ってことだな。」


先輩たちがあいつのプレーを認めていた。

入団した当時は名前も知らないやつだったし、覚える必要なんて無いと思っていた。

けど、今目の前で垣間見せた一瞬のプレーは本物だった。


「岩田。。。か。」



結論からいうと、その後大会終了まで試合に出ることはなかった。

チームは順調に勝ち進み、決勝戦に進出した。

相手は西の雄、G大阪ユース。

1・2年生だけで8人がスタメンとなっていて3年生のうち2人はすでにトップチームに昇格しこの大会に出ていない。U16 年代の代表に選ばれている1年生が3人相手チームにはいて、自分との違いをまざまざと見せつけられた。

でもショックを受けたわけではない、良い意味のショックだ。こんな選手たちと一緒にプレーしたらどんな世界が見れるのだろうか。

先輩たちには悪いんだけど小野くんとコソコソ話しながら相手の1年生のプレーを見ていた。もちろんこっちの1年生の黒河も負けていないんだけどね。

でもチームとしての自力に相手が勝り準優勝という結果になった。


強く、強く思うのだった

全国レベルの大会で試合に出てもっと自分の力を試したいと、勝負したいと

そして常に勝利して、ゴールを奪いたいと、自分が世代最高のフォワードだと。

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