第4話 1年目 高校1年生 Uー16
6月
デイリーミッションは2日やって1日休みを入れることにした。
毎日やったほうがスキルポイントを獲得できるのかもしれないけど
体が資本、怪我をしたらもともこもない。
スキルに怪我をしにくくなるスキル【ケガしにくい】(2割防止)と【頑丈】(3割防止)上位の【鉄人】(4割防止)があるので優先してとることを目標に
ポイントを貯めることにした。備えあれば憂いなしってね。
休息日を設けることにはしたけど
ウィークリーミッションは達成できるように毎日の練習量を変えた。
徐々にステータスが上がっているので量を増やしたほうが効率よく
体を鍛えられている感じがする。
休みの日は
サッカーの試合を動画でいくつも見るようにしている。
特に世界のトッププレーヤーと呼ばれたFWの選手は動画サイトで
まとめられているので繰り返し繰り返し見て自分の頭の中で
イメージしながら自分だったらどう動いたらいいのかの
イメージトレーニングをやり続けた。
スキルに【模倣】というのがあるのでこれも優先する。
マンスリーミッションは5月になってはじめてクリアできた。
4月が無理だったのは試合(練習試合でもOK)に出ていなかったからだ。
ちなみにデイリーミッションの100mダッシュを
50mダッシュに変更するように要望し変更した。
理由としてはFWの立ち位置からしてハーフウェイラインからゴールに
向かってダッシュすることが大半だと思ったからだ。
もちろん、カウンターで自陣から攻め上がるときは100ダッシュすることも
あるとは思うんだけどね。
〈マンスリーミッション〉
・シュート練習:5000回
・筋トレ(腕立て・スクワット・腹筋):各5000回
・ウェイトトレーニング:20時間
・50mダッシュ:5000本
・試合に3試合出場
・試合で2ゴール決める
ウェイトトレーニングは練習後にフィジカルコーチの指導のもと行っていたのでちょうどよかった。試合についてはその後の練習試合においてもスタメンで途中交代というのは変わらないけど組まれた練習試合で使ってもらえた。
ここまで練習試合では3戦連続ゴール中すべてヘディングによるものなので自分としては流れの中でゴールを決めたりドリブル突破からカットインして
デル・ピエロゾーンから右足一閃ってゴールに憧れているのだけれども・・・
そんなスキルももしかしたらあるかもしれないけれど。
直近の状況はそんな感じで
ステータスも
LV:3
SP:0
◆ステータス
攻 撃 力:C・64
守 備 力:G・23
テクニック:F・32
パ ワ ー:C・65
スピード :F・37
スタミナ :D・56
◆スキル
【点取り屋】【天才】【フィジカルモンスター】【途中出場】【空中戦】
【ヘディングLV1】【ケガしにくい】
6月はU16埼玉県リーグが始まる。ここまでの練習試合でだいぶ手応えを感じていたのでレギュラーを獲得出来たのは素直に嬉しい。これからは試合に出場することを中心に置きながら、練習の強度、試合までのコンディショニング、モチベーション・メンタルの持って行き方なんかも大切になってくる。
埼玉県サッカーリーグは参加12チーム
1回戦総当りでのリーグ戦方式で行われる。
大宮アルデンテU16が参加するのは1部リーグとなっている。
年代別でリーグ戦が行われることで各年代むらなく強化が行えることは
チームとしても個人としても有意義なことである。
公式戦は出場するだけで経験値をもらえるけどやるからには
試合は勝つべきだし、出場したら得点も取りたい。
公式戦1戦目
対翔平戦
練習試合でもそうだったんだけど
前線で相手ディフェンダーとコンタクトしたときに当たり負けすることがだいぶ少なくなってきた。練習試合では学年が上の選手とのマッチアップが多いんだけど。
今日は同学年ということでまだまだ相手選手の体格も中学生を卒業したばかりで出来上がっていないので遠慮せずに体をぶつけていって自分のポジションを優位に確保できた。あとはいいパスが入るまで繰り返し繰り返しこの動きを続けていくことだ。
相手ディフェンダーとの駆け引きで優位に立てている
ディフェンスラインが崩れている、今ならラインの裏のスペースをついてゴールを狙える。
味方ミッドフィルダーとはアイコンタクトを送ったがここでの選択は中央から外へながれるパスとなったのでウィングとサイドバックがパス交換からクロスを上げることを選択したのだと思う。最近の試合でヘディングでのゴールが多かったせいか勝手なイメージをもっているのかもしれない。無駄なランニングと思われてしまうかもしれないけれど、ここはチームメイトに真ん中で勝負する意識をもってもらうために、ゴールに向かう動き出しを何本かチャレンジし続けた。
前半35分
何度目かのチャレンジではじめてトップ下からゴールに向かうパスを引き出せた。
チャンスは何度もあるわけではない、この1本を決めるために毎日シュート練習してきたんだ。相手ディフェンダーが右からプレッシャーをかけてきた。彼とは中学時代に何度もやりあっているので自分の利き足がどっちだか把握しているからだ。
でも4月以降精力的に左足でのキック精度をあげてきた。今では自信をもってシュートを打つことができる。
相手ディフェンダーが体をぶつけてくるその瞬間を感じ取って、自分も左に体を振った、一瞬相手ディフェンダーの態勢が崩れた、スピードが乗った状態で自分が蹴りやすい場所へコントロールした、ゴールキーパーが慌てて出てきたが、ワンテンポ遅いよ。左足でふわりと浮かせたループシュートがゴール右に吸い込まれた。
「ゴーーーーーーール!!!!」
前半終了間際
この日初めてのセットプレイ、前半ラストチャンスだ。
チームでも毎日のようにセットプレイの練習をしているのだけど
3年で主将の佐藤さんとマッチアップしているんだけど最近は3回に1回は勝てるようになってきている。先輩も先輩としての意地があるからたまに居残り練習をセットプレイ時の位置取りについて先輩とコーチと一緒になって確認するようになったんだ。だから負ける気がしない同じ年代ということもあって完全に自分は頭一つ出るほどの体格もその自信の一因なのかもしれない。
クロスが上がってきた、キーパーが出られない絶妙なキック、最近は自分のことばかりで周りが見えていなかったけど同じ学年にもいい選手がいるんだなって、今思うことじゃないんだけど、なんだろ、時間の流れがゆっくりしている気がする、頭のここっって場所にミートし、ゴールに叩きつける感覚で、ドスンっと突き刺した。
2−0
ここでホイッスル、前半終了。
ハーフタイムに今日2アシストの10番の同級生に声をかけた。
「2点目のクロス最高だったよ。」
「こちらこそ2アシストだ、サンクス。」
「ヘディングでのゴールばかりだけどホントはもっと中で勝負したいんだ。」
「了解、どんどんパス出すわ、楔のパスも入れるからワンツーよろしく。」
「頼むぜ、ファンタジスタ!」
後半
後半開始そうそうから相手の攻勢が続いている。
守備に回る時間が長く続いているが集中を切らさずに前線からプレッシャーをかけ続ける。視界の端に常に味方の存在を確認しながらミッドフィルダーとの距離感も重要だ。ボールを奪う=攻撃の起点となるからだ。攻撃のための守備。
後半10分
10番の小野くんとの距離感をうまく保ちつつ、ボールホルダーに対して数的優位を作り出してボールを奪うことに成功した。小野くんの前にスペースがあったのですかさずスルーパスを選択、相手ディフェンダーがボールウォッチャーとなったスキに
折返しのボールがあると信じて無意識に走り出した。ダイアゴナルランだ。
「スイッチ」
小野くんからの一言。
足元にボールが転がっている、まるで最初からそこにあったかのようだ。
あとはゴールに蹴り込むだけ、全力でける必要はない、イイ感じに力が抜けている。
きっとこれからも彼からのパスをゴールに決めていくんだと、今日はその記念すべき初めての試合だな。
3−0
となったところで交代となった。
交代で入る選手のもとに走っていった。
ハイタッチして交代だ。
「あとは任した。」
「オッケー。」
ベンチで監督・コーチ・チームメイトからの祝福。
スタンドを見ると両親が喜んでいる姿が目に入った。
ハットトリック
この試合で何かをつかめた気がした。
《経験値を獲得しました、レベルアップしました》
《特殊ミッション『ハットトリック』を達成しました》
《特殊ミッション『通算5ゴール』を達成しました》
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