第3話 1年目 高校1年生 Uー16

4月下旬

プレミアリーグ(東地区)が始まる。

当然のことながら自分は選ばれていないしそこまでの練習試合にも参加できていない。ただ、練習意欲もデイリーミッションもやる気・気力に満ち溢れた状態で精力的にこなし続けた結果ステータスがだいぶ変化していったこともモチベーションが上がっている要因なんだと思うな。


LV:1

SP:0

◆ステータス

攻 撃 力:D・51➝53

守 備 力:G・19➝21

テクニック:F・30

パ ワ ー:D・52➝55

スピード :F・35

スタミナ :D・51➝53

◆スキル

【点取り屋】【天才】【フィジカルモンスター】【途中出場】【空中戦】

【ヘディングLV1】

◆スタイル

【ストライカー】


最近取得したスキルのおかげでチーム内からはエアバトラーなんてニックネームをつけてもらって可愛がられている。自分でも悪い気はしていない実際負ける気がしなくなったし自分の体格も十分に活かせているのでこの技術ももっと磨いていければ武器になるはずだ。


プレミアリーグに出場しない選手たちBチームは

積極的に練習試合を組んで試合経験を積むようにしている。

(U−16埼玉県リーグに向けたメンバー構成で)


大宮ユースは基本的に3バックと4バックを併用した

守備のときは3−4−3と攻撃のときは4−3−3が基本システムとなる。

カウンターが主体となっているがボールも人も連動して動かす取り組みも

より攻撃的なサッカーを思考している。


Bチームの練習試合ではじめてスタメンに起用された。

3トップの真ん中CFが自分のポジションとなる。

相手は埼玉県の高校東部台高校。

冬の選手権にも出場したことのある古豪だ。


キックオフの笛がなると同時に

頭の中で


《経験値を獲得しました、レベルアップしました》


と聞こえてきた。

が、とりあえず確認はあとにすることにして

監督からは後半10分までと言われているので

スタミナを気にすることなく前半から飛ばしていこうと思う。

今日の役割としては、

・前線でターゲットになること

・前線から激しく守備に行くこと

・個人的には得点をとること


チームとしての前半序盤の入りは悪くなく

大宮がポゼッションできているが有効なパスは出てこず

たまに苦し紛れの放り込みがあるが空中戦で勝てても

キープして味方の上がりを待つことができず何回かボールロストしている。

今年はじめての試合ということもあって味方との距離感に苦労する。


前半15分:東部台コーナー1本目

味方全員戻っての守備、ニアで跳ね返すのが自分の役目

精度のよくないキックが自分めがけてきたので難なくヘディングで処理


前半30分:大宮カウンター

ボランチのところでボール奪取

素早く左サイドに展開したので、ディフェンダーとの最終ラインの駆け引き

左ウィングがドリブルで再度のタッチライン際を切り裂く

更にカットインを目論むのか、それともコーナーまでえぐりながらクロスか

果たして結果は後者を選択したところで

一瞬、立ち止まってタイミングを外し、クロスが来るって瞬間に

すかさず走り込みながらジャンプしどんぴしゃでヘディングをゴール右隅に叩きつけた。オフサイドは!?副審の旗は上がっていない。

後ろから誰かが飛びついてきた、俺ゴールしたんだ。


《特殊ミッションを達成しました》


前半40分:ハーフタイム

危ないシーンもいくつかあったけど1−0で折り返し

今日はあと10分だけの出場となる。

後半開始の入りが重要となる残りのスタミナを気にせずプレーしよう。

後半が始まる前にステータスを確認してみた。


LV:2

SP:13

◆ステータス

攻 撃 力:D・53➝54

守 備 力:G・21➝22

テクニック:F・30➝31

パ ワ ー:D・55➝56

スピード :F・35➝36

スタミナ :D・53➝53

わかったことは

レベルアップすると5ポイント(天才のおかげで2倍)

特殊ミッションを達成すると3ポイントもらえるということ。


SP:13➝0

◆ステータス

攻 撃 力:D➝C・54➝63

パ ワ ー:D➝C・56➝60

ポイントを消化して攻撃力とパワーをCに引き上げた。


後半開始から10分間とにかくボールホルダーに対して

プレッシャーをかけ続けた。ボール奪取とはいかなかったが

相手の後半の入のリズムを崩せたのでうちのピンチになることもなく

交代となった。


試合はその後お互いに1点ずつ取り合い試合終了となり

練習試合とはいえ今シーズン幸先の良いスタートとなった。

試合後、監督やコーチから得点については評価をもらえたが

前線のプレッシングが効果的に行えていなかったことを指摘された。

今後の練習の中でより意識して行っていくことが確認できただけでも

個人的には収穫の多い試合となった。


練習試合での経験と指摘を受けたことを早速練習の中での落とし込みを行いながら

わからないことがあればコーチに確認し、

チームメイトとの議論も活発に行えるようになった。

6月から始まるU−16埼玉県リーグにでのスタメン獲得に向けて練習にあけくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る