第2話 1年目 高校1年生 Uー16
1週間ぶりにチームの練習に復帰した。
みんな心配してくれたが身体は特に問題なくてむしろ
はねられる前よりも逞しくなっていることは内緒なんだけどね。
練習は
ウォーミングアップ(10分)
にはじまり
パス&コントロール練習(15分)
パスを出したら受け手に対してプレッシャーをかける
パスの受け手はプレッシャーを躱してパスを出す。
このときパスは受け手が受けやすいように出すのではなく
強くて早いパスを意識しておこなう。
受け手はトラップ1発で足元におさめ次の動作に入る。
この繰り返し
1対1、1対2(15分)
守備の練習。
攻める側のドリブル突破に対して守備側がどう対処するかの練習
身体の寄せ方、プレッシャーのかけ方、奪うタイミングを反復して行う。
他にも
4対3+1、7対7+1と人数を徐々に増やしていきながら
ボールの動かし方、オフザボールの動き方、相手のチェック、戦術理解
パスコースを作るためにサポートする動き方、攻守が切り替わったときの動き
ポジショニングを常に頭をフルに使いながら身体も動かし続けるため
練習の後は頭もだいぶ疲れている。
最後は6チームにわけて試合形式の練習
3つのブロックにわけて
上から、チャンピオンズリーグ・Jリーグ・ユースとなっていて
ゴールを決めたら上のリーグに行き負けたチームは下位リーグに落ちる。
最終的なリーグによって最後のフィジカルトレーニングの量が変わってくる。
今日はCチームでユースリーグスタート。
僕のチームはFWが自分だけなので得点を取ることが最重要任務となる。
このチームには3年生でトップ昇格が有望視されているOMFの大島さんがいる。
大島さんを常に視界に入れつつ、ゴールと相手DF陣の位置も動きながら
自分がゴールを決めやすい位置取りを意識している。
相手DFの要は主将の菊池さん、年代別代表に選ばれていてU-18ワールドカップの日本代表候補にもなっている。身体をぶつけてきてプレッシャーがいつもは凄いって思っていたんだけど、今日は思いの外プレッシャーを感じていない。
【フィジカルモンスター】のおかげなのかもしれない、でも油断はしない。
大島さんからの最良のパスを引き出して一瞬のチャンスを逃さない。
集中しろ、深く集中して、アイコンタクト、今っ!
ここってタイミングで菊池先輩に身体をぶつけていって自分のポジションを獲得し
ゴールに身体を向けたその時足元に吸い付くようなスルーパスが。
このパスが通った瞬間にゴールはイメージできていた。
くーーー、気持ちいいー。
「よっしゃ!」
「クソ、やられたわ。」
2戦目はJリーグ
負けてきたAチームとの対戦
DFにはGKもフィールドプレイヤーとして参加することになっていて大宮の守護神佐藤さんがDFとしているんだけどこの人は試合中もエリアの外まで大きくでていって足元もうまいと定評がある。後ろからの指示で前線から激しく守備に行くことをチームとして要求されているんだけどステータスは上げていないので守備はまだまだ期待できないがコースを切る動き、攻守が切り替わったときに最善となる位置取りを考えて常に首を振って全員の位置取りを頭に入れて動いていた、練習も終盤をむかえているけどまだまだ体力は問題ないので全力でボール奪取のプレッシャーをボールホルダーに対して行っていたら、相手がパスミスをして運良く自分の前にボールが転がってきたので難なく利き足とは逆足になったけどきれいに足を振り抜けたので蹴った瞬間に入るって思ったとおりのコースにボールは飛びゴールに吸い込まれた。
「(今日はなんだか調子いいかも・・・)」
3戦目はチャンピオンズリーグ
勝ち残っていたDチームが3連勝したら終了となるが負けたくはないかな。
DチームのFWはプレースタイルは違うのだけど憧れの先輩だ。
身長は僕よりも低いんだけど前線で身体を張れてポストプレーヤーとして前線の真ん中でプレーすることが多い。今日もここまで2得点あげている。
相手ボールのスタートだったけれど笛がなると同時に猛然とダッシュしてボールホルダーに対してプレッシャーをかけに走った。ボール奪取には至らなかったけどこの動きがチームメンバーにも伝播してフルコートハイプレスがうまくハマってくれた。
事前に示し合わせたプレーではないけど毎日一緒に練習している仲だからそこは自然と連動・連携できないと実際の試合でも勝てないからね。
今日2回めの大島さんとのアイコンタクト交換
「(ここに欲しい!)」
「(ここに流れろ!)」
DFが寄せてきてコースを消しているんだけど、このパスに対する正解はここだよね。ってフワリと浮かせたボールはゴールへのパス。
この調子で4試合目も勝利し4連勝で今日の練習は終了となった。
「お疲れ、いい動きしていたな。」
「3戦目のパス最高でした。」
大島さんと会話するのは多分これが初めてなんじゃないかな?
これまでは本当に雲の上の存在としか思っていなかったんだけど、やはりスキルを取得したおかげなのかこれまでとは違う景色が見れたこと・体感したことで
このスキルボードの有用性が自分の中で大きな存在となった。
大宮ユースは全選手全寮制なので
全員が自分のテーマを見つけていつも居残り練習をしている。
いつもなんとなくシュート練習をしてきたんだけどユースチームにはフィジカルコーチがいるしマシンも充実しているのでこれからの居残り練習はフィジカルトレーニングに当てることにした。
1戦目のときにやっぱりパワーは大事だと痛感した、自分のポジションを死守するのにボディーコンタクトは常にあるし腕や体全体を使って良いポジションを取るための動作で今後間違いなく必要になってくるはずだ。
フィジカルコーチの指導の元全体的に身体をいじめ抜いて
締めのいっぱいにプロテイン、寮の食堂でお腹いっぱいの食事をして
ユースの練習は終了となった。
寝る前にスキルボードの確認をしてみた。
どうやら他の人にはスキルボードは見えないのだけど
カモフラージュとして雑誌を見ているふりをしている。
寮の部屋は3・2・1年生の3人構成となっているが部活動における先輩後輩という上下関係はあまりない。実力があれば1年だろうと試合に出るからだ。
だから上下関係等よりライバル関係のほうが正しい。
LV:1
SP:0
◆ステータス
攻 撃 力:D・51
守 備 力:G・18➝19
テクニック:F・30
パ ワ ー:D・51➝52
スピード :F・35
スタミナ :D・51
おっ、守備力が上がっている。
前線から激しく守備に行くことはチームとして求められていることだけれど練習でもこれは常に強く意識しながら行っていけば自然と上がるんだな。【天才】の効果が早速表れだしたのかな。
ところでレベルってどうやって上がるんだろうか!?
レベルのところをクリックするとウィンドウが別に立ち上がって説明文が出てきた。
経験値の獲得方法(下に行くほど経験値量が多くなる)
・練習試合に出場する
・練習試合に出場しゴールを決める
・公式戦に出場する
・出場した公式戦で負ける
・出場した公式戦で勝利する
・公式戦に出場しゴールを決める
・公式戦でMVPになる
試合に出ないことにはレベルアップしないことがわかった。
今はとにかく練習とデイリーミッションの質と量にこだわって練習を続けていくことと練習のミニゲームでもとにかく点を取ることに貪欲になることで
チームやスタッフにアピールしていくことを強く思うのだった。
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