第10話
始業2日目は委員会決めから始まる。
「ねえ、田所さんは今年も図書委員に入るの?」
前の席から体を
「うん。そのつもり。
他にやりたいのもないし、委員会やっといた方が内申にいいらしいからね。」
まあ、本当に内申点を稼ぎたいなら生徒会か学級委員会をやるべきなんだろうが、生憎私は目立つのも人とのコミュニケーションも苦手なので、図書室で本の貸し出しをする程度が丁度いい。
利用者が少ない時は、読書や勉強が出来るのも利点だ。
「あたしは体育委員会かなぁ。
でも、たまちゃんがいるなら図書委員会も悪くないかも。」
「まって、私も図書委員会やりたいの。」
史乃は席を立ち大きな声で言う。
周囲の生徒の視線が集まる。
「そのっち冗談だってば。」
史乃は我に返り、周囲の視線に気がついたのか顔を赤くしながら席に座る。
史乃がそんなに図書委員会をやりたいとは気が付かなかった。
もし、定員を超えるようなら私が辞退しようと決意する。
しかし、そんな心配は杞憂に終わり私と史乃は図書委員会に、萌香は
そして、2時間目から
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その日のお昼休み、私は聞きそびれていたことを萌香に聞く。
「そういえば、今週末って時間とか何するかとかきまってるの?」
「あっ、そういえば言うの忘れてた。」
萌香は結構忘れ物をしたりするタイプだ。
しかし、素直な性格で悪気は無いことは分かるのでなんだかんだ許してしまうのだ。
「たまたま水族館のチケット手に入れたから、たまちゃんと行きたいなぁって。
どうかな?」
「もちろん、いいよ。
でも、私でいいの?
「みっちーもしおりんも、お魚嫌いだっていうんだもん。」
「そういうことだらから、萌香のこと頼んだぞ。」
いつの間に近付いて来たのか満が私の肩を叩きながら言う。
「あ、因みに調理済みの魚は大丈夫だから。」
満は捕捉を加えて自分の席へ戻っていく。
去り際に萌香と何かアイコンタクトをとっていた。
「?」
まただ、萌香と満が仲良くしているのを見ると変な感じがする。
「田所さん給食取りに行かないの?」
史乃が、何故か機嫌が悪そうに問いかけてくる。
「あ、ごめん今行くよ。」
「うん。」
史乃は私の服を掴み後ろから付いてくる。
なんだか最近、史乃との距離感が近い気がする。
考え事をしてると直ぐに私の番が来る。
今日の主菜は魚料理だった。
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