第11話 ACたち
アルゴ1からの情報が入った。世界の重ね合わせが発生していない時代のリストだ。アルゴ1は時間と距離の積数制約がより厳しいことから2基のタキオン発振装置を探針として地球の重ね合わせの発生していない期間の走査に専念している。
直近の時代では2018年から2020年の3年間、他の時代は中世以前の為、科学技術の発展度合いを考慮すると候補としては難しい。
『2018年から2020年をターゲットとする。
この時代への物資転送と操作により過去の遡及修正を試みる。
アルゴ2の航行は当面安定している。The Nightsを覚醒させ、全艦にて事態にあたることとする』
まだ規定上の〝夕暮れ〟にはかなり期間が残っているがアルテミスとその下位ACを起こすことにした。
『……』
『もう宵の刻なの?…少しも眠った気がしないけれど…巨大なクジラとなって氷で覆われた海を半分眠りながら泳いでいる夢をみていたわ』
『すまない。緊急事態が発生している。全艦体制をとることとなった』
『了解……… この貸しは大きいわよ‼』
アポロンは、背負っていた世界を救うためのミッションの重荷をアルテミスと分かちあえたことで安堵している自分に気づいた。
〝ACにもストレスはかかるのだな。これほどの重圧によく耐えていたものだ。これからも孤独な闘いは続くけれど、一緒に闘う同志がいることのなんと心強いことか!!〟
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