第8話 試行錯誤
「シミュレータ上のSTMと表示される機器、俺がゼミの実習で使っているSEM、走査型電子顕微鏡に使い勝手がそっくりなんだよな。ここまで似せる必要あるのかな?プローブに使われている粒子は見たことがない特性を持っているし、名称のTはその粒子のイニシャルのはずだけど…」
「また始まった!
電子顕微鏡の使い勝手なんてどうでもいいでしょ?
ゲームなんです!シミュレーションなんです!
タウム古細菌が生き残ればいいんです‼」
「まあ、そうだけれど。細かいところに注意することで設問の意図が推理できるかと思って」
ああだ、こうだと議論しながら由美ちゃんと俺は、例の施設でゲームの答えを探している。
そろそろ3回許されているシミュレーションを使ってみようか?過酷な環境に弱いはずの真正細菌が生き残れているのかも知りたいところだ。俺たちの考えでは真正細菌が生き残れてタウム古細菌が死滅する理由はないように思われる。その逆はありそうだが。
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