第8話
所変わって、ここは宇宙。
『うむ。今日も宇宙波は静かだのう』
『そうじゃのう』
『だがこの間の宇宙虫は面倒かったのう』
『うじゃうじゃ居たからのう』
『そうじゃのう。ほんにA型主系列恒星を拾っておいて正解じゃったのう』
『確かにのう』
『あの時拾うことにしたのは僥倖じゃったのう』
『あれが無ければだいぶ厄介じゃたしのう』
『全くじゃのう』
『しかしあ奴ら良く燃えおったからのう』
『おお確かに良く燃えておったのう』
『ほんに虫は明るいが好きじゃのう』
『ほんにのう』
『かはは飛んで火に入る夏の虫じゃったのう』
『正にそれじゃったのう』
『かかかかかか』
『わはははは』
移動型惑星ハルナは移動するので宇宙波の干渉緩和や惑星内の生存圏確立の為、あらゆるシールドやミラーコーティングで球場に覆い大気比率や気体濃度をモデル惑星のテラに近いものにしている。
因みに、ミラーコートされた空にはテラから観測された恒星や惑星、更には衛星までもが映像として映し出されている。
その為、惑星ハルナ内では昼と夜が存在し気候は何時も常春である。
雨は降らないが川や湖などは存在する。
なので水辺付近に町や都市が多く点在していた。
『むむ。索敵に感ありじゃ。この反応またあの時の虫共じゃのう』
『また虫かのう』
『あ奴らどんだけ居るのじゃ』
『面倒いのう』
『確かにのう。じゃがこの間完成したA型主系列星虫寄せホイホイが火を噴くのう』
『かはは!確かに火を噴くのう』
『確かにのう』
『さて、虫寄せホイホイ起動準備じゃ』
『耐熱対防御フィールド展開じゃ』
『A型主系列星偽装解除、ダークシールド収納じゃ』
『出力安定、虫寄せホイホイ起動じゃ!』
煌々と煌めくA型恒星に多くの虫型生物が突っ込んでくる。
射程距離に入った虫が恒星のコントロールされたコロナによって燃やされ原子分解され吸収される。
それは正に害虫駆除の様相を呈していた。
だが、この宇宙においてハルナは宇宙のギャング張りに宙域を占領していたのであった。
その姿は傍若無人、我田引水、正に自己中気味に資源を取り込んでいたのである。
縄張りを荒らされた虫型宙人が今、正に宇宙の異物を排除粛清に全面戦争を仕掛けてきていたのであった。
だが、ハルナ達はそれを知らない。
ハルナ達にとっては売られた喧嘩ではあるがその力量差故に害虫駆除以外のなにものでもなかったのであった。
ハルナを中心に四方八方上下斜めに張り巡らされた数多の虫寄せホイホイによって虫型宙人はひっそりと絶滅したのであった。
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