誉れ高き勇敢なブルーよ 本条雅人
題名だけだと一体どんなジャンルなんだ? と見当が付きにくい本作。ジャンルとしては多分サスペンスに分類されるだろう。
しかし、サスペンスと訊くと殺人事件とか事件捜査とかを連想してしまうが、この作品では殺人は起こらない。
何故なら主人公は刑事でもなく探偵でもなく、元サッカー選手で日本代表の監督決定権を持つ特別顧問だからである。
他の作品ではあまり見受けられないプロフィールを持つ本作の主人公は、現役選手時代にヨーロッパを点々とし、現役引退後は記者にサッカー人生を台無しにされるなど、様々な挫折を味わい続けた苦労人だ。
作品内では記者サイドのストーリーもあり、そちらの主人公とも関連していくが、大筋は監督選びだろう。
サッカーの苦労人が、経験と知識と信条をもとに誰を監督に選ぶのか、そして記者が彼とどう関わっていくのか、ぜひとも一読してほしい。
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