独断と偏見によるベストブック 2020

青キング(Aoking)

はじめに 『アフリカの蹄』 帚木蓬生

 今年はウイルスに翻弄された一年でした。


 そんな一年だからこそ読んで欲しい、という理由はほとんど関係なく、独断と偏見で五作品が選出した。


 決まり決まって相変わらずの中古本なのだが、高校を卒業してしまい古本屋へ出掛ける機会ががっくりと減ってしまった。


 ウイルス感染も外出を控えた理由の一端ではあるけれど、やはり下校時に行ける距離に古本屋があったことは、古本屋を訪ねるのに大きなメリットだったのだろうと、つくづく実感させられた。


 感染症の種類は違うが、『アフリカの蹄』はぜひとも読んでほしい。天然痘を利用して黒人を減らそうとする陰謀と闘う若き医学研修生の奔走は、読んでいてエールを送りたくなる。

 と、まあ、一年の総括をするでもない前書きはここで終わるとして、そろそろ本題に移っていこう。

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