一日の終わりに読む詩(うた)

久賀広一

医師 ”ウィリアム・オスラー”は言った。


「人は、抱えきれない3つのものを持っている。


過去の重荷は捨てなさい。

息絶えた過去など、死者の手にゆだねましょう。


未来の重荷も捨てなさい。

昨日の負担に加えて、明日の重荷まで今日のうちに背負うとしたら、どんなに強い人でもつまずいてしまうでしょう。


あなたは、今日一日を生きるだけでいいのです」



どんな選択をしようとも、今日という日をあなたは終えた。


良い日だったなら、それは重畳ちょうじょう

失敗があったならば、成功への扉の、余分な選択肢を一つ減らせたということ。


人生の遅れは、限定された視野を取り払ってしまえば、いつだって自分の努力で取り戻せる。


それより、今日を終えたあなた。

間違いなく一つの仕事をした。


一日を終えるということは、生きてきたこれまでの年月に区切りをつけられることでもある。


思いっきり自分を褒めるのもいいし、酒で乾杯するのもいい。


自分を許せない者は、いつも他人に厳しく接する者だ。

だからあなただけは、恣意的に誰かを傷つけたりしない限り、どんな時でも、何をしてしまおうとも、最大限の優しさをもって、自分だけは許してやらねばならない。


今日は、自由な夜である。


そして、見事明日を終えることができたなら、また最高に自分を癒せる夜がやって来る。


でもそんな明日のことなんて、明日の自分にすべて任せていいと故人は言っているんだ。


だから今日は、思いっきり気持ちよく、好きなことをしよう。

あとは心地のいい音楽でも聞きながら、眠るだけだ。





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