17.地下の探索
地下へと続いていく階段、警戒しながら進んで行きます。
まず地下一階、特に人の気配はありません。しかし、いくつかの死体が倒れています。
全員帝国兵士のようです、それ以外では特に何も見付からなかったので次に行きます。
地下二階、人の気配は無し。死体は上の階より多いですね、戦闘でもあったのでしょうか?
地下三階、ここより下は無いため何かあるとすればここしかないですね。
上階よりも死体が多く、何かを守っていたのでしょう。
「…うぷ…、死体特盛つゆだくはもういりませんわ…。」
「ナタリー大丈夫かのぅ?少々乙女には刺激が強すぎるのじゃ。」
「…一体ぐらい持って帰っても構わないかな…?呪術系のアイテムが制作できる…。」
ギャラリーがぎゃあぎゃあうるさいです、一応ここは敵地なんですからちょっとは
警戒してほしいのですが…。
どごーんと何かの爆発音がこの階の奥から鳴り響きました、まだ敵勢力が居たようですね。
ほらほら行きますよ。 「「「了解(なのじゃ)」
地下三階奥、ホールのような広い空間の先に小さな小部屋。その入口を取り囲むのは
黒い騎士鎧を付けた10人の騎士たち、入り口を守るのは帝国騎士5人。しかし、すでに
満身創痍。いつ倒れてもおかしくない状況のようです。
「貴様達は誰だ!」黒騎士に気づかれた模様です。
誰だと言われて名乗る馬鹿はいませんが、こんな薄暗い場所で一方的に蹂躙している輩に
善人は居ないと思いますので皆さんご覚悟を。
「生意気な、お前たちは逃さん!ボブ、マイケルは死に損ないを見張っていろ!残りは侵
入者を排除する、行くぞ!!」
黒騎士が襲いかかってきました、パウル、ナタリー、カエデは一般騎士を頼む。
私はリーダーを叩く!「「「了解(なのじゃ)」」」
「舐めるな、小僧。普通の冒険者に私達は倒せん!!」
…普通だったらどれだけ幸せですかね、カエデはあまり戦闘経験は無いのでランクとして
はCランクですが種族としての強さではなかなかですし、ナタリーとパウルは
普段は生産職ですがAランクほどの実力はありますしね。
この黒鎧は強力なバフがかかっていますが鎧自体は普通の鎧ですね。いわゆる鋼の鎧です。
あとこの人隙だらけだから一発で終わりそうなんですがさっさと終わらせたいので
遠慮せずにやっちゃいますか。
黒騎士リーダーが上腕に剣を掲げ思いっきり振りがぶる刹那、一気に間合いを詰め持って
いた剣で振り抜く。黒騎士が剣を振り下ろす前に全ては終わった。
「き、消えた?奴が一瞬で消えただと?…!?、ぐ、ぐごが…。」
一言を発した後黒騎士は倒れそこに上下分かれた死体になってしまった。
いやあ、久しぶりに剣を使ったけどだいぶなまっているな。家に帰ったら父上か兄上に
ご指南してもらわないとな。皆、終わった?
「…兄貴こっちは終わった、全員怪我なし。」
良かった良かった、さて大丈夫ですか?と帝国騎士の鎧を着た中年男性に声をかけます。
「…貴殿達は何者だ?どうしてここがわかった?一体何の目的でここにきた?」
私はクロード・ヴィルヘルムと申します、冒険者ランクはSです。
私達はファンタジア王国王家からの依頼でやってきました、こちら王国からの依頼書です。
「なんと…、勇爵家が動いたというのか…。すまないが、この奥に皇家の方々を匿って
いる。頼む安全な場所まで陛下たちをお連れしてくれないだろうか?」
ああ、もちろん。ちなみに他に避難している方はいらっしゃいます?
「いや、ここには私達しかいない。民はほとんど逃せたが一部は捉えられ精神を操られ
奴らに利用されている。城から秘密の通路でここまで逃げられたが情報が漏れていた
らしくここで襲われた。」
わかりました、詳しい話は安全な場所で聞きます。パウル、脱出するから準備を
頼む。
「オーケー、兄貴。」パウルは懐から小さな筒状の物を取り出し地面に置いた。
そして、筒の上方にある赤いスイッチのようなものを押した時、ぶおーんと音がし
筒の横にある穴から緑色の光が照射され空中に光の板ができた。
「兄貴準備完了、向こうと繋がった。いつでも通れる。」
「な、なんだこれは?」
うちの弟が最近開発した空間をつなぐ魔道具でポータルというらしいです。
さあさあ、早くここから脱出しますので陛下たちをお連れしないと。案内してください。
「…わかった、しばし待ってくれ。」
私達は皇帝たちと共に地下の空間から脱出しました、一方平原の様子は…。
『幸運の星』スキルで人生好スタート♪ 周囲の人たちはチートなんですけど私は平凡な部類なんです。 雪風 @HYENA_YUKIKAZE
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