14.再開と新たな場所
最近世界情勢が不安定ですが、相変わらず村は平和です。
庭でラグナとカエデが遊んでいます、屋内で遊ばれると色々と破壊されてしまうので
やむなく外に。そこへトテトテと末っ子がやってきました。
「にーにー、あちょぼー。」六男リック(3)が登場。ちょ、リック靴履いてないよ!
「らぐにゃー、にゃえでーあしょぶー。」「あそぼあそぼ♪」「しょうがないのぅ♪」
ま、家に入るとき足を洗ってあげればいいや。
思えば彼が生まれたとき、突如魔力が暴走。たまたま見舞いに来ていたリサさんが
修めてくれました。リサさん曰く、赤ん坊にしては魔法使い最強クラスの魔力を
内包しておりもし上手く封じられなかった時は大陸の半分は塵になっていたと談。
それに対してうちの両親は、それは楽しみだ。将来は大魔道士か大賢者ね♪と
盛り上がっていました。いざとなったら父上も星の爆発ぐらいは耐えられる結界は張れる
し母上でも強力な封印術を使えるのでそれほど心配はないとのこと。
一応、無理に魔力を封じ魔法が使えなくなってしまうのを恐れて当時の王都魔導研究所
所長が余剰魔力を生活用魔力施設に使える装置を作り、定期的にリックの魔力を有効開発
できるシステムを開発し現在も絶賛稼働中だったりします。
しかし、この絵面はほのぼのしますなー。ほとんど前世の記憶はないのですが、孫が数人
いたのはなんとなく覚えているのでこの光景にほっこりしています。いつまでも
見てられるわ…。
「兄さーん」「クロードー」ん?私を呼ぶのは四男クリスとお隣の幼馴染のジェニーじゃ
ないか?どうしたんだい、二人共。
「大変!大変!村の外におっきなドラゴンが!!」「領主様やギルドマスター、村長が対応
しているのだけど、領主様からクロードとカエデちゃんを呼んで来てって言われたの!」
大量のドラゴン、カエデ関連だよな。
急いで村の門まで向かいます、門が次第に見えてくると大きな影が
2体並んでいました。いち早くカエデがその影に飛び出しました。
「父様、母様ぁ!」「カエデ!」「カエデちゃん無事で良かったわ…。」
感動の再開なのですが規模がデカイです、後ろの龍族の皆さんが号泣しています。
あまりの涙で水たまりから川にジョブチェンジしかかっています。
カエデ家族が落ち着いた所で、村を代表して父上が話を聞きます。
「久しぶりだな、龍也。大変な目にあったな。」
「おう、マルクスか。俺の娘が世話になった。感謝する。」
「昔世話になったよしみだ、気にするな。ところでなぜ大勢で我が領地に来たのだ?
危うく攻撃する所だったぞ」
「実はな、我が一族が移り住める土地を探しているのだが。なかなか良き場所が見付から
なくてな。各地に散った同胞もいつまでもそこに留めてはおけぬからな。新たな土地を
探していたのだ。」
「せめて、事前に連絡するか人に化けて来てほしかったのだが。しょうがないな。
あの山が見えるか?あの麓であれば少し狭いかもしれないが龍族がしばらく隠れられる
平地がある、川もあり近くの森で木の実や獣が狩れるから最低限の暮らしは出来るだろう。」
「いいのか?かたじけない。」
「対価としてあの山に眠る鉱石類の採掘を頼みたい、龍族は鍛冶もやるそうだから
構わないだろう?しばらくは支援もするしな。」
「ああ、それで構わない。よろしくたのむ。」
こうして我が村の外れに龍族の集落が作られることになりました。流石に龍の姿では
大きすぎるので人間の姿になって暮らすそうで、空いている村の衆達で仮設住宅の
建設作業、開墾の手伝いなどを行いました。またうちの畑のユグさんが加護を広げて
くれたおかげで最初の収穫は大豊作でした。
ちなみにカエデは引き続き家に居着いています、たまにご両親に会いに集落で家族と
一緒に過ごす日もあります。
そんな中世界に凶報が告げられました、帝国が全世界に宣戦布告を告げたのです。
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