9.不穏な空気と襲撃者
宿場に一泊し目的地目指して数時間ようやく目的の村に到着いたしました。
あれから湧き出た盗賊は合計5組、あれ?ここってこんなに治安悪かったっけ?
どちらかというと王都は近いし、騎士団も定期的に巡回しているはずなんだが、
何かが起きている?
「実は1ヶ月程前から帝国と共和国の戦争が集結し、職を失った元農民や戦場が
無くなった傭兵達がこの国に集まりつつあります。王国もこれ以上受け入れるのも
厳しいので自然と盗賊になってしまうのかもしれません。しかし、ここまでこの
地域に集まっているのはおかしい、とりあえず団長には報告しておきます。」
とアーノルドさん、早速騎士団の1人を王都へと早馬で送り出しました。
さて、姫様ことソフィアは現在祭りの衣装合わせなどの準備中。さすがに着替えとかは
一緒に出来ないのでラグナをそばに置かせています。
その間村の周囲を探ることにしました、何もなければいいけど。
数時間ほど森の中を気配を消して歩きまわりました、明らかに人が長い間滞在していた
痕跡が多々ありました。しかも新しい。
村に帰り、私、アーノルドさん、警備隊長、村長計4人との打ち合わせです。
警備隊長からのここ最近は祭りの影響もありここ1週間ほどで訪れる人々が
増えている、なおかつ護衛の冒険者なども去年より増えたとのこと。
一応例年以上の警備の増加をお願いしその日の打ち合わせは終了しました。
私が真面目にお仕事している間、姫様とわんこは焼き肉パーティーをしていましたが、
解せぬ…。
次の日、王都に使いを出した騎士が帰ってきました。予定していた5部隊の他に
さらに3部隊を周辺の巡回で派遣してくれることに。
だからといって安心とはなりません。村の警備はおまかせして今日はお姫様の護衛
に集中しますか。
そろそろソフィアも起きる頃か、昨日はラグナと一緒にはしゃいでいたからいつもより
起床時間が遅いようですね。お付きの侍女に起こしてもらうよう頼んで30分ほど。
寝ぼけた顔でソフィアとラグナが食堂に入ってきました。
おいおい、お姫様。そんなんで大丈夫なのか?
「…んー、今日は早くねるー。おなかすいたー、ご飯お願いしまーす。」
と気の抜けた声で朝食を頼む姫とわんこ。
遅い朝食後、会場でのリハーサルを行うため。宿から会場まで馬車で向かいます。
会場は村の外れ、かつて初代国王が初めて魔物と戦い勝利し王妃と共に旅立った
話を劇仕立てで行います、当時は一面草原だったそうですが、後に大きな闘技場風の会場
が建てられ、配役の国王役と王妃役は一般募集から選ばれた冒険者、ソフィアは
国王に旅立ちの洗礼を授ける女神の役です。
会場の道には多くの人々がソフィアの姿を一度でも見ようと馬車に声をかけています。
それに答え馬車の窓から手を振るソフィア、王族も大変ですね。
!!、嫌な気配を感じソフィアをこちらに抱き寄せ馬車に防御結界を咄嗟に張ったと
同時に爆発が生じました。
「やったか?」「いや、防がれたようだ。仕方ない直接殺るぞ。」
あー、来てほしくない人たちが来たわ。爆発を防ぎ、馬車から脱出し後続の騎士たちと
合流。直後現れた黒ずくめの者たちが武器を構えつつ物騒なことを話し始めました。
ラグナ、さっさと片付けてくるからソフィアの護衛を頼むぞ。
「わかったわん、お兄ちゃん気をつけて。」
ラグナに後を任せ騎士団を中心に防御結界を張り、目の前の敵に対峙します。
目視出来る限り10人以上、隠れているやつは居ない模様。全員冒険者の格好か。
装備を見る限り上位ランクではなさそうだが、油断はしません。
ちなみにギルドランクはS、A、B、C、D、E、Fの順で依頼の達成数や素行など
で審査され、特定の依頼で順位が上がる仕組みです。ちなみに私はA、我が村の
ギルマス・グフタスさん曰くSでも文句言うやつは居ないし、すぐにでもランクアップ
してやると言われていますが、Sって指名やら長期依頼多いから畑おろそかに
なっちゃうのでこの話が出るたびにお断りしているのです。
時間も限られているのでさっさと殺りましょう、詠唱破棄の
あと無属性の
いやはや幸運の星効果で人族が習得できるすべての技術と魔法を使えるのは便利です。
無双はいいですな、雑魚でよかった。
戦闘態勢に入っていた騎士団はポカーンとしていましたが、これくらいなら
よく倒しています
からね。最近はあまり冒険も行ってないので体がなまっているので丁度いい運動に
なりそうですが。
襲撃の結果、ソフィアに怪我はなし。元々こういう襲撃なども経験済みなので
リハーサルは予定通り行うと言いましたが安全を兼ねて中止。
宿に戻り通しで確認して終了とのこと。毎年の行事なのでおおまかな流れを再確認する
ためだったので別に現地でなくてもいいとのこと。
明日は儀式の日、さて何が起こるかな?
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