7.幼馴染はお姫様

んー今日もいい天気だ、おはようございますクロードです。


朝食後畑仕事に精を出しています、ラグナとゴラッズがユグさんの周りで追いかけっこ


するぐらい今日も平和だな…。


熊太郎さんに手を出されたっぽいメイドは今朝から顔が赤かったです、時折ため息を付き


ながら窓を見て「会いたい…」とつぶやいたのを偶然聞いてしまった時はちょっと熊太郎


さんに文句言いたくなりましたが。


都会に憧れる若者がいまだに多いので村は若者不足に陥っており、うちで雇用している


使用人たちを確保するのも大変なんですから。


などと考えながら雑草むしりや苗の間引きやらやってると見知った顔がやってきました。


おやギルド長珍しいですね、何か御用ですか?


「よう、クロード。おまえさんに用があってきたんだが、ちょっと時間をもらえるか?」


彼はこの村の冒険者ギルドの支部長、グスタフさん。筋肉ムキムキ細マッチョで


スキンヘッドのハイエルフさんです。ハイエルフなんです。


大切なので2回いいました。


なぜ彼が一般的なエルフのイメージではなくボディビル体型なのかは知りませんが、


父上が知り合った頃にはすでにムキムキマッチョだったそうです。


それで、何のご用事ですか?一応うちに暇な冒険者2人いるのでそっちに依頼して


ほしいんですけど。私畑仕事まだ残っているんだから暇じゃないんですけど?


「相変わらず辛辣な奴め、脳筋共に任せられないからお前に頼みにきたんだ。」


うーん、とりあえず聞いてからでもいいですかね?どうせ行かなきゃならんだろうし。


「指名依頼だ、お姫さんからのな。」


…ああ、もうそんな時期か…。ここ最近忙しかったからすっかり忘れていたわ。


依頼内容はこの国のお姫様の護衛依頼です、この時期建国の王を称える儀式があり初代


国王が生まれた村で光の巫女が祈りを捧げるというものです。


本来は聖女の役目ですが、若い女性の役目と母上が父上を心配しすぎるとのことで


数年前から聖魔法のスキルを獲得した第3王女のソフィア様が執り行うことになりました。


実は私もう1人の幼馴染だったりします。


現国王と父上は幼馴染で共に王都の学園に通い、ライバルでもあり親友であったために


王家との親交が今でも続いています。ちなみに王妃様は母上の元舎弟です。


この国の貴族の血筋に生まれたものはその存在を周知するために5歳の時に合同で


お披露目パーティーがあるのですが当日歓談中にたまたまお手洗いに行きたくなった


私は父上に一言告げてからトイレに行きました。帰り道何か騒がしい声がしたので


その場所に向かうと件の第3王女様が遠目から見てもゲスっぽいぽっちゃりとその


取り巻きの出っ歯のおチビと知性がまったく感じられない視線が宙に泳いでる一般顔


に囲まれていました。いわゆる一曲踊りませんか?ゆくゆくは私とお付き合いを


ぐへへへへという話しです。


明らかに姫様嫌がって離してください、衛兵呼びますよと諭していますがおバカ3人は


ええではないかええではないかと聞く耳持たず。


正直、今世はあまり目立とうと思っていなかったのでここは大人を呼びに行こうか迷い


ましたが、誘いに断られ激昂したぽっちゃり君が姫君を殴りかかったので慌てて止めに


入りました。おいおい、君上司の娘殴ろうとしたらアカンやろ!


と飛び出した所、ぽっちゃりのへなちょこパンチを華麗に交わした姫がぽっちゃり


ボディーに右ストレートでワンパン、出っ歯に回し蹴り、ピンクでした。


最後にぼーさんに左アッパーでふっ飛ばしました、最近のお姫様はグラップラー属性


なんでしょうか?


あ、ぽっちゃりダメージが低かったのか脂肪という肉壁のお陰でなんとか耐えたのか


起き上がって姫に襲いかかろうとしています、そうはさせないと瞬歩(移動系スキル)で


一気に距離を詰め強打(戦闘スキル)でぽっちゃりノックアウト。


騒ぎに駆けつけた警護の衛兵たちに姫と私が事情を話し、3人のバカは連行されその後


罰を受けたそうな。


その際なぜか姫様に懐かれまして、お互いの親公認の許嫁候補に私が組み込まれ


将来良い嫁ぎ先がない場合は私に嫁ぐとのことに。


まあ、カワイイし変に威張ってないし実はお菓子作りが趣味でたまにお茶会行くのも


楽しみなんですがものすごくベタベタされるので正直困惑しております。


さて、作業が終わったら姫様の元に行くかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る