番外編 聖者の行進

「まったく、クソ兄貴が寄り道したいとか言うから、出遅れちゃったじゃない」


ブツブツと文句を言うブライダルや、操縦席に座るソウルミューとそれぞれ後部座席にいるブレイクとエンポリを乗せ、一台の車が平地を進んでいた。


その車は、以前にソウルミューが開発した水陸両用車だ。


一見して小型のバスのような外観をしているが、エンジンと共にウォータージェットを付いた水難救助用に造られた車輌である。


ブレイクやエンポリオが座る後部座席の後ろには、ソウルミュー自身が以前に開発したガジェットが山のように積まれていた。


神具の暴走を止めた彼らは、その後にソウルミューの案でとある閉鎖された工場を訪れた。


それは、これからストリング帝国なりエレクトロハーモニー社との決戦に向け、今まで造ってきた兵器などを入手するためだった。


だが、どうやらすんなりとはいかなかったようで、無駄な時間を過ごしたと、ブライダルはかなり不機嫌になっているようだ。


「いつまでもモンク言うなよ。それにこっちのほうがバイクより速いし、海も渡れるだろうが」


ハンドルを握りながら、助手席でブーブー言うブライダルに声をかけるソウルミュー。


ブライダルは「それもそうだね~」と人が変わったように機嫌を直し、車内から前方へ指を突き立てた。


「よし飛ばせクソ兄貴ッ! ジャズ姉さんやサーベイランスと早く合流するんだッ!」


「うぅ……まだ……スピードか上がるのかよぉ……」


ブライダルの威勢の良い声を聞いて、後部座席にいるエンポリはウプッと吐き気をもよおしていた。


バイクでの移動のときもそうだったが。


どうやら彼は、他の三人よりも三半規管が弱い――つまりは乗り物酔いが酷いようだ。


ソウルミューはそんなエンポリを見て笑うと、アクセルを踏み込みさらに車を加速させた。


「うん? ちょっとストップストップだよ!」


前方を見ていたブライダルがそういうと車は急停止。


エンポリはその揺れにさらに顔色を悪くしていたが、ブレイクのほうは何事もなく座っていた。


「なんだよ? 飛ばせって言ったくせに急に止めろだなんて」


「いや、なんか軍隊らしきものが見えるんだよ」


「なにぃ、軍隊だぁ?」


ブライダルの言葉を聞き、ソウルミューとブレイクも前方を確認。


かなり離れてはいたが、確かに装甲車らしき車輌がこちらに向かって走って来ていた。


それも一台二台なんてことはなく、数十台の装甲車が陣形を組んでいる。


「ありゃプレイテックだ。どうやら帝国のヤツらみてぇだな」


「どうしよっか? 私はっちゃってもいいけど?」


「ムダな戦闘は避けたいとこだけどな……」


ソウルミューとブライダルが話をしていると、ブレイクがその口を開いた。


迂回うかいしている時間はない。


このまま進んで道を開けてもらおうと、ブレイクが言う。


「連中とはオレが話をつける。ソウルミュー、このまま近づいてくれ」


「はいよブー坊」


ソウルミューはアクセルを踏み込み、ストリング帝国軍へと近づいていった。


そして、ブレイクが後部座席から水難救助車の車体の上に乗り移った。


「ストリング帝国軍だな。こちらはただの民間人だ。悪いが事情があって急いでいる。道をあけてもらいたい」


「いや~ブー坊君も成長しましたな~。キャラ的に昔だったら問答無用で喧嘩けんか売りそうだったのに」


「おいブライダル、チャカしてんじゃねぇよ。どうやら連中はどこかへ退却している感じだ。……何かあったんだんろうな」


ブレイクたちのことを確認した帝国軍。


その中にある一台の装甲車プレイテックの中では――。


くろがねのブレイク·ベルサウンドだとッ!?」


この部隊の指揮を任されているスピー·エドワーズ大尉が、その整った顔を歪めた。


彼の隣にいた副官――パシフィカ·マハヤ軍曹がブレイクたちが乗る車輛の通信機器にアクセスしようとしながら口を開く。


「こんなところでとんでもないのに会っちゃいましたね。確認しましたが、おまけもなかなか大物」


「なに? あとは誰なんだ?」


「噂の少女傭兵ブライダル。彼女はあの舞う宝石ダンシング ダイヤモンドと同じく再生の能力を持った子です。それと、運転席にいるのは元エレクトロハーモニー社の開発部にいた男で、あのイード·レイヴェンスクロフトを追い詰めたというソウルミュー。そしてそのイードの弟子、アルマー兄弟の弟エンポリ·アルマーもいます」


「何故そんなわけのわからない面子が一緒に行動しているんだ?」


「さあ、わたくしにはわかりませんが、どうやら彼らに戦意はないようですよ」


「なら、ここは素直に道を開けたほうが良さそうだな」


スピーが帝国軍すべてとブレイクたちが乗る通信機器に向かって、こちらに戦闘の意志がないこと伝えた。


すると、ブライダルが二ヒヒと笑いながら返答してくる。


《うんうん、素直でよろしいですな~。ちなみにそちらの指揮官と副官は誰です?》


「私はストリング帝国軍大尉、スピー·エドワーズだ。副官はパシフィカ·マハヤ軍曹である」


スピーは何故そんなことを訊いてきたのかわかなかったが、一応隠さずに答えた。


また二ヒヒという笑い声が聞こえてくると、少女の声――ブライダルが声が聞こえてくる。


《へぇ~パシフィカもいたんだ。私だよ、ブライダルだよ~。元気してる?》


「あなたは相変わらずですね。なんだかとても楽しそうですが」


《わかっちゃう? さっすがパシフィカ。いや~それにしても久しぶりだよね。まあ、君とは戦いたくなかったから、すんなり通してくれそうでよかったよ~》


ブライダル声は通信機器から他のプレイテックにも流されていたのだろう。


突然、彼女の言葉の後に怒鳴り声が聞こえてきた。


《どういうことだスピー·エドワーズッ!? 何故我々帝国軍が道を開けなければいかんのだッ!》


「グラフ中将……」


グラフ·ゴードンスミス――。


ストリング帝国軍の中将。


官位は高いが前線の経験はなく、帝国内の内政担当で、国内の派閥――ローズ派の後ろ盾ともいえる男だ。


グラフはたかが四人――しかも子どもを相手に何故誇り高き帝国軍が道をあけなければいけないのだと、スピーに向かって声を荒げた。


「しかし中将。ハザードクラスを相手にこの戦力ではかなわうはずもないです」


「それに、今は皇子と皇女を安全な場所へ運ぶのが、我々の任務ではないでしょうか?」


スピーに続き、パシフィカもブレイクたちとの戦闘に意味はないことを伝えた。


だが、そんな二人の意見もグラフには通らなかった。


グラフは上官の命令が聞けないのかと、戦闘を強要する。


「う~ん、なんか揉めてるみたいだね~」


「メンドくせぇことになりそうだな……」


ブライダルとソウルミューがそんな会話をしている間にも、グラフの怒鳴り声をは続いていた。


だが、それでもスピーは引かなかった。


「この部隊の指揮官は私です。それに、兵たちを無駄死にさせるわけにはいかない。ここは道をあけるべきです。パシフィカ、彼らを通すように伝えてくれ」


「了解しました」


パシフィカはすべてのプレイテックに道をあけるように指示を出した。


だが、反応はない。


その様子を見ていてスピーは思う。


グラフはたしかに中将だが、人望がそこまであるような人物ではない。


むしろここにいる大部分の帝国兵は、帝国内の派閥でいうとローズ派よりも、自分たちと同じノピア派だ。


それなのに、どうして兵たちは指示通り動いてくれないのか。


スピーが頭を悩ませていると、通信機器からグラフの笑い声が聞こえてきた。


《無駄だよ、スピー大尉。この部隊の兵たちはすべて私の支配下にある》


「グラフ中将……。あなたは一体何をしたのですかッ!?」


スピーが声を張り上げて訊ねたそのとき――。


彼の周りに停まっていた何台ものプレイテックから、デジタルな咆哮ほうこうが聞こえてきた。


その雄叫びを聞き、スピーとパシフィカは理解する。


「グラフ中将ッ! あなたは兵たちにマシーナリーウイルスを使っていたのですかッ!?」


マシーナリーウイルスとは――。


ストリング帝国の科学者たちが開発した、人体を侵食する細菌。


このウイルスは、体内で一定の濃度まで上がると成長し、宿主しゅくしゅの身体を機械化する。


機械化した者は、人体を超えた力と速度で動けるようになるが、宿主は自我を失い、ストリング帝国の完全なる機械人形へと変わってしまう。


このウイルスに適合し、自我を失わなかったのはアン、ローズのテネシーグレッチ姉妹と、薬や電磁波でウイルスを安定させた現在行方不明のノピア·ラッシクだけだ。


どうやらグラフは、ジェーシー·ローランドからウイルスを手に入れ、兵たちを自分の思うように動かすために使用していたようだった。


《上官の命令を聞かん兵などいらん。さすがにお前たちには注入する機会はなかったがな》


通信機器からグラフに笑い声が聞こえてくる。


その声はしてやったと言わんばかりに勝ち誇っていた。


「スピー大尉、どうしましょうか?」


「くッ!? 残念だが、ここは我々だけでも脱出するぞ。幸い、皇子と皇女は私たちがいるプレイテックに乗せていたからな」


「了解、直ちにこの場から撤退します」


スピーの判断を聞き、パシフィカは装甲車のアクセルを踏み込み、思いっきりハンドルを回し始めた。


そして、並んでいるプレイテックの間をすり抜けて、目にも止まらぬ早さでこの場から去って行く。


それを見ていたグラフがフンッと鼻を鳴らす。


「これだからノピア派は軟弱だというのだ。我々選ばれしストリング人が、たかが四人の小僧や小娘に怯えてどうする」


そして、グラフは指示を出す。


何十台もあるプレイテックから帝国兵たちがゾロゾロと出てくる。


その姿は、全身が白い鎧甲冑のような装甲でおおわれていて、まるでうめくようにデジタルな声を吐いていた。


「あッ! あれはマシーナリーウイルスで機械化しちゃった人間だよッ! マジのガチの本物の機械人形、機械兵オートマタだッ!」


「この状況で、なんでそんな嬉しそうなんだよ、お前は……」


「だってこうやって生の装甲オバケ見るの初めだし、マシーナリーズファンの私としては嬉しいに決まってるでしょ? それに、こういう場面には前作を知らない人に向けたチュートリアルも必要だしね。う~ん、私ってば気配り屋さん」


「……とりあえず、お前はピンチでもブレないってのが取り柄だよな。相変わらず意味わかんねぇけど……」


ブライダルの言い草に、ソウルミューが呆れていると、ブレイクが一人前へと歩き出していく。


そして、そんな彼に続いてグロッキーだったエンポリも車を出ていった。


「おい、お前もやる気かよ?」


ソウルミューがエンポリへ声をかけると、彼は苦虫をみ潰したような顔をして答える。


「こんなとこでお前らと殺されるなんて真っ平御免ごめんなんでね」


よく言う――。


ソウルミューがそう思っていると、エンポリの口角が上がっていく。


「それに、イード様に言われてずっと大人しくしてたのもあってよ。一暴れしたいとこなんだよ」


「前者にも後者にも賛成ッ! このところ暴れてなかったからね。いっちょやっちゃいますかッ!」


ブライダルも助手席から飛び出していき、ソウルミューは渋々ながらも彼女たちと共に戦うことを決める。


「ったく、こんなことしてる場合じゃねぇのに……。第一作戦もなしにやりあうつもりかよ? 今さらだが、このメンツは脳筋しかいねぇのか……」


ブレイクは、後ろを歩いてくるエンポリ、ブライダル、ソウルミューに振り向くと嬉しそうに言う。


「ウダウダ言ってんじゃねぇぞ、ソウルミュー。敵はたかが機械兵オートマタ数十体だ。オレたちなら余裕でれる。当てにしてんぜ」


ブレイクにそう言われたソウルミューはため息をついたが、その表情を見るに悪い気はしていないようだった。


そして、四人は金属のきしむ音を鳴らして集まってくる機械兵オートマタ前で足を止める。


四人対数十体の構図を後方で眺めていたグラフが、ブレイクに向かってを無謀だと高笑う。


「小僧どもが、この数の機械兵オートマタを相手に勝てるつもりでいるのか? ハザードクラスだがなんだか知らんが、所詮はまだ尻の青いヒヨッコよ。目の前の戦力差も理解できんとは」


グラフは小馬鹿するように言うと、全軍に指示を出した。


えさを見つけた獣のように、デジタルな咆哮をあげて機械兵オートマタの集団がブレイクたちに襲いかかる。


その数分後――。


バラバラになった白い鎧甲冑の上を歩き、グラフの乗るプレイテックへと歩いてくる四人の姿があった。


「なんだとッ!? 我が帝国が誇ったいにしえ機械兵オートマタ軍団があんな小僧どもに数分で全滅させられたのかッ!?」


グラフは慌ててプレイテックの運転席に移ったが、彼の乗る装甲車はすでに四人に囲まれていた。


もうグラフを守る者はいない。


せめて運転手でも残していれば、すぐに逃亡できたかもしれないが、彼はすべての兵を機械人形へと変えてしまったのだ。


今さら後悔しても後の祭りである。


いや、最初からスピーの言うことを聞いていればよかったのだ。


結局のところ戦力差を見極められなかったのは、グラフのほうだった。


「ねえブー坊君。こいつ殺しちゃって良いよね? 本編にもこの後の展開にも関係なさそうだし」


「本編ってなんだよ……」


ブレイクがブライダルの言っていることが理解できずにいると、エンポリがグラフのことをプレイテックから引きずり出した。


激しく怯えるグラフを見て、エンポリがチッと舌打ちをする。


「で、どうするんだブー坊? 俺はこんな害虫は殺しちまったほうが良いと思うけどよ」


「おいエンポリ。お前までブー坊呼ばわりかよ……」


「しょうがねぇだろ? もはやこのメンツだとブレイクよりもブー坊のほうがしっくりきちまってんだからよ」


「いや、そこはお前のさじ加減だろ……」


いつの間にかエンポリまで新しいあだ名で呼ぶようなっていて、ブレイクは呆れていた。


そんなブレイクを見たブライダルが彼に声をかける。


「まあまあ、いいじゃん。ブー坊って可愛いし」


「つーかブライダル、オメェもブー坊だろうが」


「ブブ~ッ! 私は女の子だよ? 坊やじゃないしぃ」


「大昔のチョンマゲ結ってた時代にはな。坊やってのは男も女も関係なく使われてたんだよ」


「えッ? そうのな? でも、今は使ってないでしょ」


「確かにな。だからオレがブー坊ならオメェはブーじょうだ」


「なにそれ、ぜんぜん可愛くない……」


そんな二人にやり取りを見ていたグラフは、怯えていた表情を強張らせた。


「こんな、こんなふざけた奴らに、機械兵オートマタの軍団が何故負けたのだ……」


その呟くような言葉が耳に入り、エンポリだけでなくブレイク、ブライダル、ソウルミューも地面にくっしているグラフを見下ろす。


ソウルミューが口を開く。


「なんでもかんでも思い通りになると思ってんじゃねぇぞ」


そして、持っていたブラスターハンドガンの銃口をグラフへと向ける。


エンポリも同じようにてのひらかざし、体内から集めたオーラを放とうと狙いを定めた。


グラフは両手で頭を抱えてさらにちぢこまった。


偉そうにしていたくせに情けないと、ブライダルがハンッと鼻で笑う。


「つまんない奴、本当にテンプレートなやられ役だな~」


「で、どうすんだブー坊?」


エンポリが再び訊ねると、ブレイクは縮こまっているグラフの頭を掴んで強引に自分へ向けさせた。


まるで火傷やけどただれたような笑みを見せ、怯えるグラフに向かって言う。


「おい、オレを見ろ帝国のオッサン」


「わ、私を殺すつもりかッ!?」


「テメェが死にてぇなら殺してやるよ。その前に、帝国が今どうなったのか言え。良い話が聞けりゃオレたちの気も変わるかもしれねぇぞ」


ブレイクの歪んだ笑顔を見たグラフは、ストリング帝国の現状を話し始めた。


オルタナティブ·オーダーのリーダーであるライティングが数人の仲間と共に攻め込んできたこと――。


そして、ライティングたちは全滅したものの、捕らえていた彼らの仲間はウェディングよって救出されてしまったこと――。


自分の知っていることすべてを吐き出した。


「そうか……。ライティングたちはやられちまったのか……。じゃあ、なんでテメェはこんなとこにいる? まさか逃げ出して来たのか?」


「わ、私はローズ将軍から、アンビエンス皇子とイーキュー皇女を連れて、戦場から離れるように命を受けたのだ」


「フン、それで偶然出会ったオレらに手を出してりゃ世話ねぇな」


ブレイクが掴んでいたグラフの頭から手を放すと、立ち上がって再び見下ろす。


グラフは怯えながらもその口を開く。


「知っていることは全部話した。もういいだろッ!? 私を解放してくれッ!」


そんなグラフを見て、エンポリがその顔面を蹴り上げた。


吹き飛ばされたグラフが鼻と口から血を流しているところに、ソウルミューがその胸倉を掴む。


「おいオッサン。テメェの勝手な判断で死ななくていい人間が大勢死んだんだぞ」


「そうだね~。だから、それ相応の罰は受けてもらわないと」


静かに怒るソウルミューの後ろから、ブライダルが二ヒヒと笑いながらグラフへと近づいていった。


そして、背負っていた青龍刀を振り落とし、グラフの両腕を切断。


「うぎゃぁぁぁッ! わ、私の腕が、腕がぁぁぁッ!」


「おいおいオジさん。あんた帝国の偉い人なんでしょ? ストリング軍人ならこれくらいで泣き喚いちゃカッコ悪いよ~」


ブライダルは、そこへ持っていた機械兵オートマタ残骸ざんがい――その白い鎧甲冑のような腕を近づける。


「お願いエンポリ君。このオジさんに新しい腕を付けてあげて」


「そうだな。これからの人生に両腕がないと、なにかと不便だもんな」


「き、貴様ならッ!? 一体何をするつもりだッ!?」


グラフの叫びも虚しく、エンポリのオーラの力によって、その切り裂かれた両腕へ機械兵オートマタのものが付けられた。


機械の大きな腕に中年のたるんだ身体というバランスの悪い格好とはなったが、出血も止まってグラフの怪我はエンポリの力で治療された。


「これがお前への罰だ。せいぜい残りに人生。半人半機械兵オートマタとして生きるんだな」


「貴様ら……。こんなことをして、ただで済むと思っているのかッ!」


ぎこちなく機械の両腕を動かしながらグラフが叫ぶと、ブレイクがその額に試練で手に入れた神剣――無限刀インフィニティソードを突き付ける。


「命があるだけありがたいと思えよ。それになぁ、もうとっくにただで済んでねぇんだよ。テメェみてぇな後ろで偉そうにしてる奴には一生わからねぇだろうがな」


そして、先ほどのエンポリと同じようにグラフの顔を蹴り上げると、皆に声をかけてその場を去っていった。

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