#717
だが、ジャズは武器を持つことなく、レジーナに
「どうしてあたしたちが戦わなきゃいけないんだよ! あたしにはあなたと戦う理由がない!」
「貴様、それでも軍人かッ! かつて世界最強の軍と言われたストリング帝国の将校が、敵を前にして戦えないとは、なんと情けないッ!」
「あたしはもう帝国の人間じゃないッ! お願いだからレジーナ王女……。武器を収めて……。そして、リュージュ女王と……お母さんと話し合ってッ!」
「敵にお願いされてそれを聞くバカがどこにいるッ!」
鼻で笑うレジーナは再びジャズへと斬りかかる。
ガンブレードの鋭い刃がジャズを襲い、この狭い部屋ではいつまでも避けることができない。
「くッ!? しょうがない……。
ジャズが付けていた腕輪のスイッチを入れると、彼女の右腕が機械化――白い鎧甲冑のような装甲が
そのとき、レジーナのガンブレードがジャズに振り落とされ、その腕で受け止めたためガキンという金属音が部屋中に響いた。
「ようやくやる気になったか。英雄の再来ッ!」
「これは戦闘じゃない。あたしはあなたを止めるために戦うッ!」
「きれい事をいくら言おうが対峙した者同士が武器を持てば、それは殺し合いだッ!」
ジャズの機械の腕と、レジーナのガンブレードで
これでは
ジャズはこれを機械の腕で防ぐが、そこへ再びレジーナが斬りかかってくる。
凄まじい剣擊の嵐がジャズに降り注ぎ、なんとか攻撃を受け流していても徐々に刃が彼女の体にかすり始めていた。
「ほら、どうしたどうしたジャズ·スクワイア? 貴様の力はこんなものか?」
(この人……思っていたよりもずっと強いッ!? このままいつまでも受けているだけじゃ、いずれやられちゃうッ!)
ジャズはレジーナの剣を受けながら思った。
重たい斬擊に休むことない連擊。
王女の身でありながらこれほど剣を打てるとはと。
だが、こんなところで負けるわけにはいかない。
自分と共に世界の混乱を止めたいと言ってくれた仲間――。
自分を救うために死んでいった家族と後輩――。
そして、何よりもこうやって立ち向かえる勇気をくれた――自分を変えてくれたあの少年のためにも、なにがあっても
(ジャガーにクリーン……。そしてブロード叔父さんとミックス……。みんな……あたしに勇気をちょうだいッ!)
「うおぉぉぉッ!」
「なにッ!?」
ジャズは一瞬の隙をついてレジーナへと突進。
それから
「あなたは強い……。だけど、暴力なんかじゃ、あたしの心は絶対に折れないよッ!」
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