#480
――メディスンたちがブラッド、エヌエーら
中心街では激しい戦闘が繰り広げられていた。
ウェディングとリーディンの奮闘により、機械人形たちはメディスンたちが避難させている住民たちには追いつけない状態だったが――。
「あらら、リーディン姉さん。なんかヤバいのがいっぱい来ちゃいましたよ」
「くッ、ナノクローンか!?」
この場に数十体ドローン――ナノクローンまでもが現れた。
ナノクローンとは、エレクトロハーモニー社が造り出した人型の戦闘用ドローン。
全高三.五メートル、重量二.二トン 無骨な金属装甲にブルーのカラーリングが施されている。
さらに各部にスモールコーラスというビーム兵器を搭載。
通信装置があり、おそらくサーベイランスはその装置に電波を送って操っていると思われる。
今まで機械人形は、内部が剥き出しになった未完成の身体をしていたが。
当然ナノクローンは完璧な状態で、ウェディングとリーディン二人へと向かって来ていた。
そして、ゆっくりとまるで兵隊の行進のように歩いて来るナノクローンは同時に音声を発する。
《お前たちはけして逃げられない。管理されるのを拒むのなら死ぬしか道はないことがわからないのか》
それはサーベイランスの声だった。
サーベイランスは、機械人形やナノクローンからこの状況を見ているのだろう。
これ以上の戦闘は無駄だと、ウェディングとリーディンに音声を発し続けた。
「サーベイランスッ!」
ウェディングはサーベイランスの声を聞いた途端に逆上。
編成を組んで向かって来るナノクローンへと一人飛び込んでいく。
「バカッ!? 勝手動いたら機械人形に抜けられちゃうでしょッ!?」
リーディンが叫んだときにはもう遅く。
機械人形たちが一斉に彼女へと襲い掛かって来ていた。
リーディンはトランプカードにエネルギーを込めて纏めて投げつける。
だが、
これまでは遠距離からリーディンが攻撃し、近づいてきた敵をウェディングが撃退してきた態勢が崩れてしまったため、機械人形の接近を許してしまう。
「不味いッ! ワタシ一人じゃ止められないッ!」
それでもリーディンは、なんとか近づいてきた機械人形へ拳や蹴りを放って対応。
近づいてきた敵は倒せたが、数体の機械人形が彼女を通り過ぎて住民たちが逃げたほうへと抜けて行ってしまった。
リーディンはしまったと抜けて行った機械人形へトランプカードを投げたが、それでもすべてを止められない。
そしてそこへ、彼女に向かってさらに敵が襲い掛かって来る。
このままではやられる。
リーディンがそう思った瞬間――。
目の前にいた機械人形たちが一瞬で斬り刻まれた。
「らしくねぇ……らしくねぇんじゃねぇか?」
リーディンを庇うようにある人物が彼女の前に立っていた。
その人物は笑みを浮かべながら、リーディンに声をかける。
「こんなんでビビるようなタマじゃねぇだろ、お前は」
「あんた! やっぱり無事だったんだねッ!」
当然リーディンを助けに入って来たのは、白髪に両刃の剣を持った少年――ブレイク·ベルサウンドだった。
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