#481
ブレイクは両刃の剣を構えると、先ほどリーディンを抜けて行った機械人形へ剣を振るう。
「ベルサウンド流、モード
真っ黒な斬撃が機械人形へと飛んでいく。
リーディンはそれに合わせてトランプカードを放った。
その同時攻撃により、逃げた住民たちのほうへ向かっていった機械人形たちを破壊することに成功。
そこから二人は仕切り直し、向かってくる機械人形たちの迎撃態勢に入った。
「今までどこでサボってたの? おかげこっちはクタクタよ」
「わりぃわりぃ。でもまあ、タイミングはばっちりだったろ?」
「そうだね。まるでワタシのピンチを待ってたみたいだ」
「そうかもな」
そう軽口を叩き合いながら、ブレイクは機械人形を斬り捨て、リーディンがトランプカードを放って敵を撃退していく。
幸いだったのは、機械人形たちに銃やビーム兵器のような飛び道具はなく。
あくまで接近戦での攻撃に限られたことだろう。
ブレイクとリーディンは見事なコンビネーションで、機械人形たちを寄せ付けなかった。
「ブレイクッ! あの子、ウェディングが飛び出して行っちゃったの! なんとかしなきゃッ!」
「人の心配してる場合じゃねぇだろ。詳しいことはわからねぇが、ここを守ってんじゃねぇのか?」
「だけど……」
呟くようにそういったリーディンは、それ以上に言葉を続けなかった。
彼女は状況を理解してはいるのだが、それでも飛び出して行ったウェディングが心配なのだ。
ブレイクはそんなリーディンを見て鼻を鳴らして言う。
「なら、ここを守りながら奴らをぶっ壊すぞ。壊すほうが得意だろ、オレらはよ」
そして彼は、機械人形の集団へと両刃の剣を向けた。
――避難チームがそれぞれ動き出していた頃。
ノピア、ベクター、ラヴヘイトの三人はサービスを連れて、サーベイランスのいるバイオニクス共和国を象徴する管制塔――アーティフィシャルタワーへと辿り着いていた。
「なあ、ベクター長官。どうしてサーベイランスの奴はこんな壊れかけのビルに残ってんだ?」
ラヴヘイトが上層階が崩れているアーティフィシャルタワーを見上げながら訊ねる。
「ここはバイオニクス共和国の中心にある。多分だが、そのせいか機械人形やドローンに電波を飛ばしやすいところなんだろう」
「それはわかったけどよ。いくらこっちが警護の誘導をしたっていっても、ガラ空きにもほどがあんだろ、これじゃよぉ」
ラヴヘイトの言う通り――。
周囲には警護の機械人形も、戦闘用ドローンであるナノクローンもいなかった。
あまりにも静か過ぎる。
そのことには、ラヴヘイトだけでなくノピアもベクターも違和感を覚えていた。
「……来る」
サービスがそう呟くと、コンクリートの地面から機械人形が現れた。
その数は二十から三十体。
どうやらサーベイランスは保険をかけていたようだ。
「そう来るよな。ノピア将軍、ここで我々が取るべき行動は?」
ベクターが訊ねると、ノピアは腰に帯びたピックアップブレードを手に握り、そこから赤い光の刃を出す。
そして、その真っ赤なマグマのよう光剣を構え、静かに答えた。
「我々でこいつらを止め、その間にサービスには、サーベイランスのところへ行ってもらう」
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