#479
――ウェディングとリーディンが機械人形らを抑えているとき。
ジャガーはメディスンと共に、住民たちを避難させていた。
その中には、このバイオニクス共和国の治安を維持する組織――
「おいメディスン! 一体何が起こってんだよッ!」
「なんか急に閉じ込められたかと思ったら、今度はロボットが追いかけてくるし……。ちゃんと説明してよッ!」
メディスンと二人は、バイオニクス共和国がまだ国ではなく、ストリング帝国に反抗していた組織――バイオナンバーだったときからの付き合いだ。
共和国創立後もそれなりに付き合いがあったようで、互いに気さくに話をしている。
どうやら彼ら
事情を聞いたメディスンは、二人へ状況の説明をする。
「時間がないから簡単に言うぞ。共和国は今、人工知能サーベイランスにほぼ乗っ取られた状態だ。それを我々が取り返そうしている」
「サーベイランスって、国のコンピューターシステムを起動させたときに喋ってくる奴か!?」
「どうして共和国の管理システムが人間を狙うの!?」
「悪いが話してる時間はない。早く非難するんだ」
メディスンの言葉を聞き、慌ててしまう二人だったが。
すぐに冷静さを取り戻し、住民たちの避難誘導は任せてほしいと言い始めた。
自分たちが
「よくわかんねぇけどメディスン、こっちは引き受けるぜ」
「危ないほうを任せちゃうけど、ごめんね」
「お前たち……。わかった、住民たちのほうは頼むぞ」
それからメディスンが避難場所を二人に伝えると、ブラッドか隊員たちへ指示を出し、
何体かの機械人形が襲い掛かってきたが、ストリング帝国の飛行装置――ジェットパックで上空にいたジャガー向かって来る敵を撃ち倒した。
そして、彼はそのまま電磁波放出装置――インストガンを持ってメディスンのところへ降りて来る。
「いや~さすがアフタークロエ以前から戦ってた人たちだ。状況判断が早いっすね」
「あいつらをあまり巻き込みたくないが……。正直助かるの事実だ」
「さてと、じゃあオレらはどうしましょうか? 個人的にはこのまま逃げたいっすけど」
「こんなときでも嘘をつくんだな、お前は。まあいい。とりあえずお前はあの適合者の少年とジャズ中尉を手伝え。私はリーディンたちの援護に行く」
「逃げたいのは本音ですけどね……。それじゃあ、行ってきますよ」
「ああ、先頭で住民たちを誘導しているライティングには、私から連絡を入れておく」
メディスンとジャガーはそう会話を交わすと、それぞれ別々に街の中心へと向かった。
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