#478
ミックスたちは中心街へと向かい、サービスがサーベイランスから取り戻したシステムの一つ――街に付けられたスピーカーから避難勧告をする。
それから、住民を避難させる者、現れた機械人形を撃退する者、逃げ遅れた人間を救出する者へとそれぞれチームを分ける。
避難させるのはジャガー、ライティング、メディスン。
機械人形を撃退するのはウェディングとリーディン。
そして、逃げ遅れた人間の救出をミックスとジャズでそれぞれ行う。
当然サーベイランスの機械人形は集団で現れるだろう。
ウェディングとリーディン がいくら特殊能力者とはいえ、二人ですべては止められない。
他のメンバーも戦う状況は予想できる。
「早速来たか。行くぞ、
「その呼び方、やめましょうよリーディン姉さん~。ウェディングって呼んでください」
集まって来た住民の後に機械人形の集団が現れ、ウェディングとリーディンはその群れを止めようと飛び込んでいく。
その間に、ジャガーとメディスンは集まった住民を誘導。
ミックスとジャズは逃げ遅れた人間を捜しに、裏道から中心街へ走っていく。
「何かあれば各自通信デバイスで連絡を入れてくれ。すぐにフォローへ向かう。機械人形らがおかしい動きを見せたらノピア将軍かベクター長官に知らせるようにッ!」
声を張り上げたメディスンに全員が了解と返し、それぞれ与えられた役割をこなしに向かった。
「ねえジャズ。アミノ先生たちが心配なんだけど……」
アミノとは、ミックスとジャガーが通う戦災孤児のための学校の教師だ。
ジャズも彼女とは面識があり、いろいろと世話になっていたが、今は作戦行動中である。
個人的な理由で動いてはいけないのだが。
「なんであんたはいつも間が悪いんだよ! そういうことは前もって言ってよねッ!」
「ごめん……」
「ったく、逃げ遅れた人の捜索はあたしがやるから、あんたはアミノさんたちを捜して来なさい!」
「ジャズ、ありがとう!」
ジャズはミックスを行かせ、一人で任務に当たることにした。
飛び出していくミックスの背中を見ながら、彼女は呟く。
「命令違反を許しちゃうなんて……。昔のあたしには考えられないことだなぁ……」
そして、自分一人で中心街へと向かった。
――その頃、ウェディングとリーディンは襲い掛かってくる機械人形たちと戦っていた。
リーディンが遠距離にいる敵へ経典アイテルから得るエネルギーを込めて投げ、近づいてくる敵はウェディングが対処するという戦法だ。
「くッ!? これだけ数を一体どっから出してきてんだよ!」
いくら倒しても、一向に衰えない機械人形の猛攻に、リーディンが表情を歪める。
ウェディングはそんな彼女と一定の距離を保ちながら、手の甲から出したダイヤモンドの剣で近づく機械人形を斬り倒していく。
「中心街のほうは、生物系の研究所よりも機械系のほうが多いって聞いたことがありますよ」
「じゃあ、ここらの建物全部が敵さんの量産工場ってことか。こりゃしんどいなんて言ってらんないね」
「ですね。甘いものでも食べながら戦いたいとこです」
「あんた、ずいぶん余裕あんだねぇ……。ワタシは食欲ないどころかさっき食べたもん戻しそうだよ」
二人はそんな会話をしながらも、次々と機械人形を打ち倒していくが。
やはり、その勢いが止まることはなかった。
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