#467
「サービスゥゥゥッ!」
「そんな……。どうして……どうしてノピア将軍が……?」
ボックスへと刃を突き刺したノピアを見て――。
ミックスは
だが、どうしたことだろう。
ボックスに付いていた液晶画面のゲージがそれぞれ限界を振り切っていた。
そして、ノピアの光剣を握った機械化した腕に繋がったケーブルも激しく揺れ始めている。
周囲にあった電子機器も震え、まるで地下全体が地震に襲われているかのようだった。
そのとき、サービスの入ったボックスが爆発。
その箱の上に乗っていたノピアは吹き飛ばされたが、彼はまるでそうなることをわかっていたかのように、宙でクルリと回転して着地。
放り投げられた猫のように足から床に着いたノピアは、ゆっくりとボックスへと近づいていった。
「やったのか?」
ベクターがそう呟くと、ミックスがノピアへと飛び掛かった。
ミックスはノピアの胸元を掴むと。激しく動かしながら声を張り上げる。
「なんでサービスに剣を突き刺したんだよッ!」
機械化した両腕でノピアへ怒りをぶつけるミックス。
だが、されるがままのノピアは彼に向かって静かに言う。
「勘違いしていないか? 見てみろ」
「へッ……?」
ミックスが振り返ると、爆発で破壊されたボックスから一人の幼女がゆっくりと浮いてきた。
その幼女はみすぼらしい布切れを纏った格好だったが、人間が宙に浮かんでいく姿はどことなく神々しく見え、まるで天使のようだ。
「将軍はサービスを起こしてくれたの……?」
ジャズが独り言のように呟く。
彼女の思った通りノピアはサービスを破壊しようとしたのではなく、切断されたケーブルを自身の機械化の腕に繋ぎ、そのエネルギーをピックアップブレードへと流して彼女を起動させたのだった。
ベクターはすぐに現状に気が付き、拳銃タイプの電磁波放出装置――オフヴォーカーをサービスへと向ける。
「ラヴヘイトッ!」
そして、彼が叫ぶとジャガーに下へと落とされたラヴヘイトが現れ、先ほど喰らった電磁波をエネルギーブラストとへと変えて握った拳からサービスへ向かって放つ。
ベクターはそれに合わせるようにオフヴォーカーを発射。
ブラスターと電磁波がサービスへと飛んでいったが。
「させるかッ!」
ミックスが彼女の前に飛び込み、機械の腕でそれを弾き飛ばす。
それからジャズも彼と共にサービスの前に立ち、先ほど投げ捨てたオフヴォーカーをベクターへと向ける。
「くッ!? 起動させてしまったか! ならばこの場で破壊するしかない!」
「ベクター長官! もうやめてくださいッ!」
ベクターは怯むことなく再びサービスへとオフヴォーカーの銃口を向けたが、ジャズとミックスがサービスを守るように立ち塞がる。
ノピアはそんなミックスたちのことなど気にせずに、サービスの元へと歩いていた。
宙へと浮いていたサービスはそのままゆっくりと床に足を付けると、その両目を開いた。
ノピアはピックアップブレードのスイッチを切って光の刃を消し、それを腰に収める。
そして、小さな幼女に向かって頭を下げて軽く挨拶をした。
サービスはそんな彼にニッコリと微笑むと、落ち着いた様子で口を開く。
「あなたがサービスはを起こしてくれたんだね。ありがとう……」
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