#210
アリアに続いてヘルキャットも倒され、ミックスは怒りに身を
「
彼の
マシーナリーウイルスの適合者であるミックスは、伝説のヴィンテージであるアン、ローズのテネシーグレッチ姉妹やノピア・ラシックと同じく自分の身体を機械化――白い鎧甲冑のような外装である
その力は身体能力を劇的に向上させ、常人をはるかにしのぐ力を
本来なら暴力を嫌う性格のミックスだが、目の前で友人を――しかも女の子を傷つけられたことに腹を立て、ロウルの顔面に一発お見舞いしなければ気が済まなくなっていた。
「
ロウルは乗っていたバイクのようなものから降り、ミックスを正面から
機械化した
先ほどアリアやヘルキャットを
だが、ロウルは表情一つ変えずに――。
「さすがに速い。でもよぉ、それだけだ」
向かってきたミックスにカウンターの形で自身の拳を
地面に向かって叩きつけられたミックスは、公園のアスファルトの上をまるでゴム
「まだやる気か?」
ミックスを吹き飛ばしたロウルは、人の気配がする背後に声をかけた。
そこには、先ほど一撃で
インストガンを
「下がれ。俺に女を
ロウルのいうことは
彼の話からするに――。
二人の上官であるブロード・フェンダーはすでに倒され、今目の前でミックスもいとも簡単に
それも、突然向かって来た
いくらヘルキャットとアリアが
だが、二人は
「女だからってバカにしないで! こう見えてもどんな
「私たちにも意地があります! たとえ相手が格上だろうとここで引く私たちじゃありませんッ!」
ロウルはそんな
そして、いかにも
「失礼した。覚悟を決めてる相手に男だとか女だとかいっちゃいけないよな。オッケーだ、全力相手してやる。
ロウルが彼女たちと戦う意思を
「やめろッ! 二人に手を出すなッ!」
その叫び声の主はミックスだった。
彼は再び機械の拳を握って、ロウルへと向かってきている。
それを見て笑みを浮かべたロウルは、二人からミックスのほうへと身体を向ける。
ヘルキャットとアリアは、ミックスに気を取られたところを狙おうとしたが、先ほどロウルが乗っていたバイクのようなものが突進してきて、
「ヘルキャット! アリア!」
「人の心配をしている場合かよ?」
直線的な攻撃はまたもロウルに読まれ、ミックスはその首を
そして、ミックスの身体を片手で軽々と、ネックハンギングツリーのような状態に
呼吸が苦しいのだろうミックスは、声を出すこともできなくなる。
「
「がはッ! な、なんで急に……ッ!?」
「グラビティシャドー……お前には、それだけ言えばわかるだろ?」
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