2.地獄! 三町歩のマンドラゴラ畑!
「――だが、
鍬男は、眼下に広がる愚連隊の
どこにでもいる、小悪党の仕事である。
※ ※ ※
「ヒャハハハ!!! オラオラオラァ!!!! 死にたくなきゃ働けェ!!」
「ん~~???? なんだァお前は……なぜ仕事中に手を止めておるかーーーーッ!!」
悪漢は目ざとく一人の女性に目をつけると、その片足を掴んで、片手で吊るし上げた! 陸自で鍛えられた
そんな彼の足元に
「お、お
「ほざけーーーーッ!! 貴様は赤子の命が、マンドラゴラよりも重いと言うておるのかーーーーーッッッ!!」
悪漢は
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッ!!」
マンドラゴラの悲鳴を
「フハハハハハ!! 愉快愉快! おいメス!! 貴様もいつまで
「うう……」
女性は悲痛に
あるのは、この地獄に対する苦痛であった。
それ以上に、こんな地獄に我が子を生み落とさんとする己の無力が恨めしかった。
「そうか……どうやらよほど、畑の肥料になりたいらしい!」
悪漢は女性の足を掴んで釣り上げ、その表情を楽しむようにゆっくりと、ゆっくりとドラム缶へと近づけていく。
「た、助けて……誰か……」
「誰も来ぬわーーッッ!! 潔く肥料となって死ねぇ!!」
「
その瞬間。振り向いた悪漢の瞳に、一つの線が走った。素早く、そして鋭い線だった。その線が今まさに、自分の顔面を両断したという事実に、彼は死んでから気が付いたのだった。そして重力に従うようにゆっくりと、巨漢がマンドラゴラの畑に沈む。圃場はしん、と静まりかえった。誰もが、何が起こっているのか事態を理解できていなかった。
女性は、事切れた悪漢の掌の中で、茫然としていた。彼女の視線は、眼前の男に釘付けになっていた。
――右手が、
――
「違法マンドラゴラ生産者、土に
鍬男は、地獄的にそう呟いた。
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