第8話

次は8話だな。


最終話も近いし、これまでの内容が

気に入らなければ

勿論簡単に「切られる」事も視野に入れておこう・・・。


本当なら日曜朝に放送されていそうな

「魔法少女」ものだが

最近では深夜でも深夜なりの魔法少女

アニメも放送されている。


切られる、このアニメの敗因はこの深夜枠

放送時間帯にもある。


日曜朝にでも放映すればいいのに・・・・

まぁ、無理だな。

この「殆どアニメが放送されて居ない時間帯」

にはお子様向けの作品が多い。

ライバルが少ない時間帯だが、そこで放映

されているのは勿論「王道」「勝ち組」「長寿」

常に高い視聴率を維持している作品だ。


対して深夜はどうだ。


最近では人気作は深夜ではなく22時くらいから

放映されてる。

そして遅くても深夜2時頃には放送が終わる・・


サラリーマンが帰って来て、飯を食いながら

アニメを見て、寝る・・その時間に「ジャストタイム」な時間割だ。

だがライバルは多い。

視聴者が何をリアタイ視聴するのかは、

制作側も勿論わかっている。

昔は時間帯により見れなかったアニメも

今では繰り返し放送だとか、動画サイトで簡単に

視聴出来る事もあり、視聴率は昔より減っているかもしれない。


だがコアなファンはリアルアイムでアニメを視聴する事に

よって、その感想動画を、それこそリアタイで生放送

している。

どれだけ、その作品が好きか・・・

その証と言うか・・自分への縛りというか・・

そういうものなのだろうが

話題性の大きな作品程リアタイ視聴が増えて

その結果人気もが出るのは道理だ。


しかし

スノウ・プリンセスは平日朝4時からの放送だ・・・

・・・朝4時。


「誰がリアタイすんだよ!バカ!

俺の馬鹿!テレ○のバカぁ!!!!

もうすぐおじいちゃんやおばぁちゃんが

起きて来て

将軍も暴れだす時間帯なんだよ!」


俺は金ピカの神殿に寝転がってジタバタする・・

そうしたい気分なんだ!!!

一体どうなってんだこのアニメはよぉ!

クソはどうあがいてもクソなのかよぉ!!!


「原田様どうなされました!!」

「どうもこうねーだろ!今まで、気にしないでおこう

と思ったんだけど、放送時間!放送時間さえもクソかよ!」

「ええ!裏番組は「○ー○テレビショッピング」ですものね・・

昼にも同じ内容で再放送しているにも関わらず

安定の視聴率・・・その超強番組がライバルでは

パンツや入浴シーンをいくら重ねても敵わぬのは道理。


さすがに・・わたくしも、高枝を切る挟。

あ、短くして庭の手入れも出来ますのよ?

どんな汚れも落とすスポンジ。

水だけでOKですのよ!?

水圧で家の壁の汚れをも落とす機械。

御台所は勿論、今まで届かなかった

お風呂の天上もノズルを変える事で洗浄可能!

部屋でテレビを見ながら運動、寝て居ながらも

腹筋を鍛えるアイテム。

運動が苦手、といいますか、楽して痩せたいわぁ・・

というアナタにこそマスト!

更に!熟したトマトをもサックリ切れる万能包丁。

何を切っても刃にくっつかない・・魔法のアイテムですわ!」

「買ったのか?」

「いいえ・・」


まぁさすがにな・・ゲーミングPCを制作の金で買った時点で

このアニメがクソになっても当然だもんな・・・

まさか・・、ねぇ・・

さすがに深夜のテレビョッピングの胡散臭い品を

ほいほい買ったりしないよな!女神だもの!


女神の反応に俺はとりあえずほっとした・・


「いいえ・・我慢しようと思ったのですよ?!したのです!

でもあのような構成・・あのような動画・・、どこかで一度は

見た事のあるキャストの皆さまに、「これは!」と言わせる

数々の名作・・・わたくし・・・


全て!購入させて頂きました。

見て下さいまし!とっさの冠婚葬祭、

勿論普段使いもにも使える真珠のネックレス!

勿論国産ですわ!養殖ですけれども!」


買ったんかい!!!


俺のツッコミは声にはならなかった・・・・・。


「何で裏番組観てんだよ!しかもまた制作から

金くすねたんだな!真珠ってなんだよ!あれ国産って

嘘だから!外国で養殖して、日本で制作したら国産だから!

いやま、真珠は綺麗だよ!大粒に惹かれるのはわかるよ?

でもお前!国産に騙されてっから!

純国産の大粒真珠一粒の時価価格、教えてやろうか!?

教えてやろうかぁあああ?!あぁん?!!」

「・・ふふ・・」


女神が憂いを帯びた声で笑い、俺に背を向ける。


「可笑しいですわね・・、わたしく・・・・

その頃には出番もなく、鬼をも殺せるというお酒を

浴びるように飲む毎日でしたの・・。


こんな・・小さな小さなパックのお酒・・

でもどうでしょう!これをあのストローで一気に飲み干すと!

一気に天国にいけ」

「ああ、もうわかった、買い物依存アル中駄腐女神・・

とりあえず、8話だ!話がダレないように行くぞ!」

「かしこま!」

「うるせぇ!」


俺は思わず・・一応女の人に・・怒鳴ってしまった。

女神は「おかしいですわね・・原田様の好みかかと・・」

と眉を顰める。

俺の好きなアニメを貶めるな!


8話は敵のアジトに直接攻撃を仕掛ける・・という

会議から始まる。


決戦の時は近い・・ヒロイン達は覚悟を決める。

しかし・・


双子がその意見に反対する。

二人はお互いの事を想い、お互いが傷つく事を

一番恐れていた。


そんな覚悟ではスノウ・プリンセスとして闘う事は

出来ないと、冷たく言い放つラース・・・


今日の話しあいはここまでにしようとカスミが間に入り


シーンは大浴場へ・・・・


「サツキちゃん」「タツキちゃん・・」

『どうしてこんなこんな事になっちゃったんだろう』


そう・・一番の被害者はこの二人だ。

シン・・・スガタに洗脳され、自己意思のないまま

戦士になってしまった。


今まではそれでもいいと、仲間が居てくれるから・・

そう思っていた二人に、初めての恐怖が訪れる。


二人は産まれた時から同じ。

性格は違うけれどお互いに、感じる事、思う事・・・

不思議と理解する事が出来た。

ケンカしても、落ち込む事があっても、

二人で背中を合わせて眠れば、

次の日の朝は必ず晴れていた。



次の日の朝。


雨。


二人の不安は大きくなってゆく。


戦士を辞めたい、闘う事が怖い、

ハヅキに素直に告白する二人を何も咎める事なく

二人から戦士の力を取り上げた。


その場面を偶然見てしまうナツキ。


居た堪れない思いで、寮を出て行くと宣言する

双子に


「うん、大丈夫・・、そんなに怖がらないで・・。

怖い事からは逃げていい」


シンの言葉にライが続ける。


「二人の思うようにすればいい・・

誰も責めたりしない、寂しいけどな・・

でも・・」


二人を見て、ライは心底困ったように

アカリに視線を送る。


「・・ごめん、今まで・・我慢させて」


アカリはサツキとタツキに頭を下げる。

「ど、どうしてアカリちゃんが」「謝るの?!」


「だって・・怖かったでしょ・・。

私がもっと、早くに気づいていたら良かった。

そうしたら・・」

「アカリちゃん」


カスミがそっとアカリの手を握る。


「・・わ、笑って、バイバイしよ!」ナルミが

わざとらしくはしゃぐ。


「ほら、別に転校する訳じゃないしさ!

会おうと思えば会えるよ、たかが寮を出るくらい・・」

「いつまでたっても、嘘が下手ね・・ナルミは・・」


ハヅキは、その瞳に涙をいっぱいにためた二人を見る。


「あなたたちも、覚悟がブレるくらいなら私が言ってあげるわ


戦士ではないのならここから去りなさい。」


ここでAパート終了。


「あんな言い方無いんじゃない?」Bパートはナルミが

ハヅキを責めるシーンから始まる。


「皆も・・ライ君の手前何も言えなかっただけで・・」

「私は戦闘中、暗闇に一人取り残された事がある」

「え?!」

「敵も、勿論味方も見えず・・必死に女神様に祈った」

「・・・」


ナルミは驚きを隠せない。

ハヅキは天界でもマイン・ラーマの次代を担う存在

だと言われるくらいに強い戦士だからだ。


「剣戟が・・聞こえて、私は恐怖にとらわれた・・

次に攻撃されるのは私・・・次に首をはねられるのは私・・・

そう思ったら居てもたってもいられず

暗闇の中がむしゃらに走った。」


ハヅキはナルミを見る。


「そこに現れたのは・・隊でも一番戦闘能力の低い

・・ナルミ・・あなただった」


確かに・・

ブラック・スノウとの闘いが続く天界で

そんな場面もあったかもしれない・・


「私は・・」


ハヅキはナルミに抱き着く。


「私は・・私を救いに来てくれたあなたを傷つけまいと

必死に戦った・・・、なんとか生き延びて地上に出ると

傷ついたあなたは私を見て、太陽みたいに微笑んだ。」

「そ、そんな・・感じだった?私が一方的に助けられて

いたって思ってたんだけど・・」


「私はね・・、あの時の恐怖が忘れられない、

時々思い出すほどに

忘れる事の出来ない恐怖・・


そして同じように忘れられないのは・・・・

あなたの、笑顔」


ふたりは見つめ合い・・


「サツキとタツキは血の繋がった双子、

私達と同じように・・・・互いが傷つくのが

一番の怖い事・・私には嫌と言うほどわかる」

「それで・・あんな事・・」

「どうしても、優しく笑って見送るなんて出来なかった。

私もサツキとタツキが大好きよ?

戦士でなくても離れたくない・・・


鉄のような私の心を溶かしくれたあなたの笑顔・・

今の生活はそれと同じくら大切なものなの・・」


ナルミはハヅキを強く抱きしめる。


「そうだね・・戦士じゃなくても・・ふたりは友達。

私達は敵を倒す。

今はただそれだけでいいんだ・・・」


決意を固めるナルミ。


そこへ控えめに部屋の扉を叩く音がする。

それはシンだった。


「クィーンが居る城への場所なら

案内出来る」




シーンは変わり、浴場へ。


「アカリちゃん、のぼせちゃうよ?」

カスミに言われ「そうだね」と無理に笑うアカリ。

マインとラーマも心配そうにアカリを伺う。

少女たちの大事なところは謎の光で殆ど見えないぞ!!

円盤でチェックしよう!


そこへ、敵の襲来!変身して敵を撃退する4人。

駆けつけるナルミとハヅキ。

苦戦するヒロイン達は外へ投げ出される。

敵の形態は特殊で、一度攻撃した場所があっと言う間に

回復してしまう。


シーンは変わり、雨の中手を繋いで歩く双子

とぼとぼと歩く双子のシーンで9話にひっぱる!


「8話!これでどうだ!」

「かしこま・・・・りましたわ!」


よし!それでいい!!!

金ぴか神殿が更に光を増す。


OPの後

寮の大広間に集まるヒロイン達。


「私達の居る場所・・つまりここは敵に

バレてしまっている」

「この状態ではここも、学校も常に

危険だわ。」

「そうだね!」


アカリは確認を取るように皆を見る。

頷くヒロイン達。


「わ、私達は」「それは危険だと思う」

おずおずと反対するサツキとタツキ。


「危険は十分承知している。だが

女神様から新たな力を得た我々なら」


「で、でも」「・・うん」

「そうか、覚悟の無いものに闘いは無理だ。

スノウ・プリンセスとしても」

「今日は・・、もういいよ。

皆、もうちょっと考えてみよ!」


わざと明るく言って話を途切れさせるアカリ。


いつもはワイワイと楽しい大浴場でも

二人だけだと静だ。双子の表情も暗い。


「私達・・怖がりだから」

「それになりたくてなった訳じゃ・・」

『サツキちゃんが・タツキちゃんが』

「やるって言うなら・・」


答えは出ない。

二人は部屋に戻り、同じベットに横になる。

「明日になったら」「うん、きっと大丈夫」

「勇気も出る・・」「・・うん・・・」


幼い頃からの儀式のようなもので

二人は背中を合わせて眠る。

そうすると何故か次の日は晴れて

二人はその太陽に元気をもらうのだ。


「明日はきっと晴れるよ」「うん・・」


だが次の日は雨。

二人は、どちらともなく手を繋ぎ

雨空を仰いだ。


「こんな所に呼び出して・・昨日の話

続きか?」

ハヅキの目をまともに見る事が出来ない

二人は同時に頷いた。


「私達、もともと戦士じゃないし」

「強くないし・・足手まといだし」

「・・・」

『だから・・もう・・闘いたくありません』


二人は変身アイテムを外すと

ハヅキは無言でそれを受け取った。


そして寮を出て行く二人に

「戦士でないならここから出ていきなさい」

と冷たく言い放つ。


ここでAパート終了。

Bパート明け


ハヅキから過去を打ち明けられ

ナルミとの絆をより深めるハヅキ。


そこへ扉をノックする音が・・


「罠では・・ないでしょうね?」

「またそんな言い方して・・」


二人の前にはシンが真剣な

表情で座っている。


「疑われても仕方ない・・女神様は

僕の洗脳は解けたと言ってくださった・・

でも僕はスガタであった時の事を少し覚えてる。


クイーンの、敵の本拠地の場所なら覚えてる。」



「アカリちゃん?のぼせちゃうよ?」

アカリを伺うカスミ。


外は雨が降り続いてアカリの気持ちも晴れない。

そこへ


大浴場の扉を派手に壊しながら、敵が現れる。

「きゃあ!」「どうしてこんな所に出てくるのよ!」

謎の光が荒らぶっている。

「皆!とにかく変身よ!」「ええ!」


そこへ駆けつけるハヅキとナルミ。

変身バンク6分割で一気に変身する

スノウ・プリンセス達。


闘いが始まる。

しかし、敵は今までより強く苦戦する

ヒロイン達。


そして雨の中、手を繋いで歩く双子の

止め絵でBパート終了!EDだ!



第8話「ケンカ?トラブル?!これから私達、どうなちゃうの~

     無理無理!無理よりの無理なんだからぁ!」




第8話「強敵来襲!!離れても絆は供に」


改変終了だ!


「まぁ、双子は帰ってくるし、9話10話は

もう見えたも同然だろ!もう少しだな!女神!」


長かったような、短かったような・・・

俺の改変の闘いも、もう少しでハッピーエンドだ!


「国産真珠が・・・ひとーつ・・ふたーつ・・・みーっつ・・」


イヤリングにネックレスにブレスレット。

パール3点セット一括でお買い上げご愁傷さまだな・・・・


「それにしても・・声優の声も感情こもるようになったし

踊ってるのか踊ってないのか違和感あったEDも

止め絵だが一応踊ってるように見えるようになったな!

OPは相変わらず電波の域を抜けないが

画が綺麗になって躍動感を感じるようになった。

話の内容は素人の俺が改変してんだからクソはクソ

だけど、マイルドなクソさ加減になりつつあ・・・・」


いつの間にか女神の手には真珠じゃなくて

パック酒が・・!!


「おい!やめろ!ヤケになるな!

俺たちの闘いはこれからだぞ!!」

「そんな坂!知りませんわ!」

「どんな坂だよ!!ほら次!9話だぞ

ステイ!ステイ!!!」


俺は酒を取り上げるとポケットに入れた。

その重みと、脚に縋りつく女神の重みで

また・・・ズボンが・・・!


「何度やるんだよ!このくだり!」

「もうええわ!ありがとうございましたー!」


俺と女神のコントは・・・・金ピカステージで

ウケたのだろうか・・・・・。

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