第7話

「7話にヒロイン7.8をねじ込む訳だが・・・

7.8が出るという事は女神、お前の出番がある

という事だ。」


女神は「待ってました!」と言わんばかりに

俺の前で女神らしい?恰好をして見せた。

その杖はどこから・・


「ちょっと考えてみたんだが・・・・

お前の力は一度スガタに力を奪われてるんだよな。

・・・・ショタにハァハァしてた隙に」

「ええ!」


堂々と、こいつ・・


「それじゃ、女神が使えねぇキャラに

成り下がってしまうので、

力を奪われたのは、スガタが洗脳されて

いる事をわかっていたからという

設定に変える。」

「!!勿論そうですわ、女神がショタにハスハスして

力を奪われるなんて!

ふぁさっかっ!そんな!

その設定で行きましょう!」


設定って言っちゃってるじゃないか・・・。

まぁいい・・・

「ふぁさか」とか言って動揺してんじゃねーか

「まさか」だろ??


「スガタを洗脳し、ブラック・スノウ総裁にした

敵のラスボスが、スガタに最終宣告をする。

今回失敗したら貴様の命は無い!とかなんとか。


それをいい気味だと言わんばかりに笑いながら

見ているブラック四天王。

追い詰められたスガタはピュエルを捕獲し

もう一度女神の前に現れる。

女神の力をすべて奪う為だ。

そこでヒロイン7.8の出番だな」


うん!自然な流れ!


「しょんなぁ・・わたくしのスガタきゅんがぁ・・こんな

モブと戦闘なんて!

今まで一度も戦闘していないし、出番も無かった

モブに傷つけられでもしたら・・わたくし・・・

思わずモブをぶっ飛ばしてしまうかも・・」


モブモブ言うなよ、一応お前の側近なんだぞ!


「OPにも顔は出てるんだしモブじゃねーし。

でも女神の側近だからそれなりに戦闘力は強く

しないとなぁ・・」

「今すぐ設定資料を破りましょう!」

「待て待て!待て!!」


このショタ腐女神!!!

7話まで同じ姿勢で仕えてくれていた

部下をあっさり切るつもりか!

どこのブラック企業だよ!!


「スガタは海の回でライに背中の傷の事を

知らされた事により、洗脳が解けつつある。

戦闘時も、時折昔の景色が浮かんで

上手く戦えない。

えーと・・一応女神はヒロイン7.8に戦闘を

止めるように言うが、ヒロイン7.8はスガタを

下界に落とすまで手を抜かなかった。」

「おのれ・・」

「で!で、続きあるから!!落ち着いて!

下界、あの公園にボロボロになりながら

たどり着いたスガタは、総帥としての力も

使う事が出来ずに倒れてしまう、そこに

ライが登場だ!」

「キタコレ!そこ詳しく!!ハスハス!!」


近づくな!

睫がささ・・もう刺さってるな・・うん。

俺・・人生で初めて女の人に

睫で瞼刺されたんですけど・・・


「・・ライはスガタを寮に」「お持ち帰りですわね!」

「・・あぁ、うん・・一応連れて帰る。

ヒロイン達もスガタが怪我をした事を心配

するが、ピュエルがスガタこそブラック・スノウの

総帥である事をバラしてしまう」

「クソ妖精め・・」

「いやいや・・逆にな?まだ続きあるから

そのフォークを仕舞え、どこから出したんだよ。


ライがそれでもスガタを放っておけないとかなんとか・・」

「GJ!妖精!!!」


こいつ・・ほんとコロコロと・・・・


「ライもそうだけど、他のヒロイン達も事情が

分かっても尚スガタの心配する。

そしてスガタ自身の口から事実が告げられても

受け入れようとする。


力を使い果たし、戦闘も出来ないスガタに

刺客が放たれる。

その攻撃からスガタを庇うライ。

その背中を見てスガタは完全に記憶を思い出す」


ここらでAパート終了かな・・。


「それからどうなりますの?!どうなりますの?!」

「言っておくが、BL展開はここまでだ」

「どんな些細なネタでもいいんですのよ!

このクソアニメ界NO1リベロが何でも拾って

みせます!女神にネタ持ってこーい!!」


・・・・すさまじいガッツだな・・・


「Bパートはスガタの思い出から始まる。

いつでも優く温かかった家族との思い出。

一緒に食卓を囲んだり、遊びに行ったり・・

でもある日突然現れたブラック・スノウに

襲われる両親は、最期までスガタ・・

シン=ノースを守ろうと敵の前に立ち塞がった。


その姿と、ライの姿が重なる。

傷つき倒れるライ。


そこでヒロインたちが一斉に変身して

なんとか四天王の一角を逃亡させる事に成功する。


シンとライに駆け寄るヒロイン達。

シンは最後の力を振り絞り女神の力を

ヒロイン達に託す。


そこに女神が現れ、力を取り戻した女神は

ヒロイン達からの願いでシンの傷を癒す。」

「女神GJ!GJ!!!」

「はいはい・・。そして女神の力でパワーアップする

ヒロイン達。

新たに現れた敵の為に、ヒロイン7.8が闘いに参加

する事になる。

よろしくね!って感じで7話終了だ!」


「スガタ・・シンきゅんはどうなりますの?!」

「記憶を取り戻したから故郷に帰る・・とか、かな・・」


ブッスー!!!!

音がする程、女神の鋭利な睫が俺の瞼に

突き刺さった。


※原田蒼仁は特殊な訓練を受けております。

危険なので絶対に真似しないで下さい。


「いってーー!!つかあぶねーな!!!」

俺は傷口を押さえながら女神に抗議する。


「シンきゅんは・・どう・・なりますの・・・?」


・・・・


「シンきゅんは・・どう・・なりますの・・・?」

「また敵に襲われかねないので、ライが保護します・・・」


女神がぱっと笑顔になる。

あー・・怖かった・・・・・

次は目玉をやられる・・・確実に・・・。


「じゃあ・・改変お願いします・・」

「行ってきまぁす!!」


思わず敬語になっちまった・・・。

光に包まれながら俺は痛む傷口を押さえた。

・・あ、血が出てらぁ・・・・・。



いかにも悪の拠点である漆黒の城に雷鳴が轟く。

「何度失態を繰り返すつもりだ」


階段が長すぎてその先に誰がいるのかわからない

いや・・ラスボスなんだけど・・・。

その先から声がして、スガタは「申し訳ありません」と

頭を下げる。


「クィーン様!もう一度僕にチャンスを!!」

「・・いいだろう、だがこれが最後だ。行け!!」

「はっ!」


スガタは決意を固めたのだろう表情でヒロイン達に近づく。

ピュエルはヒロイン達には見えず、

それを良い事に学校中を飛び回って遊んでいた。

それを知っていたスガタは難無くピュエルを捕まえた。


「な、何するんだぴゅる~?スガタ??痛いぴゅる~」

「黙れ、もっと痛い思いをしたくなければ、僕を女神の

神殿に連れていけ」

「な、何の事だぴゅる~、女神様の神殿なんて知らない

ぴゅる~」


スガタはピュエルを掴む腕に力を込める。


「い、痛いぴゅる~!!やめてぴゅる~」

「その手をお放しなさい・・スガタ・・・」


どこからともなく声がして、スガタはいつの間にか

女神の神殿に立っていた。


「どうか、その子を離して下さい。」

「女神!お前まだ力を隠しているな!!」


スガタはピュエルを投げ捨てると、

女神に向かって攻撃を開始した。


黒い雷撃を止めたのは・・


「女神様の慈悲も知らず」

「力を振るう愚か者!」


ヒロイン7.8の登場だ。


「おやめなさい!マイン・ラース!

その者には直接関係ない事です」

「何?!どういう・・意味だ!」


スガタの脳裏に記憶の断片が蘇り、

スガタは頭を抱えたまま体勢を崩す。


「女神様をお守りするのが私達の使命!」

「今度こそはお許しを!女神様!!」


女神はスガタを慈悲深い瞳で見つめ

語り掛ける。


「スガタ・・いいえ、シン・・・。

あなたの本当の心は何を感じているのですか?」

「・・っく!僕に・・っ何をした!!」

「・・・」

「くそっ!!!雷よ!女神から力を奪え!!」


その黒い雷鳴は、マインとラースの槍のような武器に

阻まれ、女神には届かない。


「女神様を直接攻撃するなど!」

「もう許せん!!!」


二人は女神が止めるのも聞かず、スガタに攻撃する。

2対1でも歩が悪いのに、過去の記憶が戻りつつある

スガタは二人の攻撃を躱しきれず

傷を負ったまま下界に落とされた。


「追います」

「いいえ、そこまでです・・」


女神に止められ、マインとラースは武器を収めた。



学校からの帰り道、いつも横切る公園でスガタを

見つけるライ。

「スガタ!急に学校からいなくなったと思ったら・・」

スガタはボロボロの体で気を失っている。

「スガタ!スガタ!!」

ライは、とりあえずスガタを抱えて寮に戻った。


スガタの傷の手当をして看病するライ。

ヒロインたちは食堂でピュエルから真実を告げられる。


「まさか・・スガタ君がそんな」

「確かにスガタ君の事

私達何も知らないし・・」

「ライ君もいつの間にか友達になってたって・・」

「友達の振りをして私たちの事を探ってたのね」

「待って皆・・海の時・・スガタ君は本当に楽しそう

だった・・・」

「それも嘘かもしれないし、実際敵が出たのも

ライ君がおかしくなったのも・・」


「でもどうしてだろう・・」アカリが呟く。


「何故かわからないけど・・、私・・スガタ君が

敵だなんて思えないよ」


一同は言葉を失くす。


そこへ現れる四天王の一人・・


「誰だ!貴様・・!!」ライはスガタを庇うようにその

前に立つ。

「クィーン様のご命令だ!死ね!役立たず!」

「何を・・・」

「・・もう・・構わない・・、いいんだ、ライ」

「え?」


いつの間に意識を取り戻し、ベットから起き上がった

スガタは項垂れる。


「友達なんて、嘘なんだ・・

僕は、君を利用していたにすぎない・・。

怪人騒ぎの首謀者は僕なんだ」

「・・な、何を言って・・・」


「ライは僕が何組の生徒か・・どこに住んでるか、

どうやって知り合ったか、どうして友達になったか

思いだせる?」

「!!そ、それは・・」

「僕が君の記憶を操作したのさ・・なのに・・

怪我の手当・・なんて・・・、馬鹿みたい・・」


「えぇい!何をごちゃごちゃと!

その人間ごと死んでしまえ!

お前はもう用なしだ!!!」


それでも、スガタの前に立ちはだかるライ。

敵の攻撃がライを襲う。


「うわあぁああ!!」「ライ!!どうして!!」


ボロボロになりつつ、ライは笑う。


「今までが嘘なら・・今から友達に・・

なろう・・・?」


そう言って気を失うライ。

スガタの心の奥底にしまった記憶がよみがえる。

自分自身の事、家族の事、ライと同じように最後まで

自分を庇ってくれた父親の背中。

突然襲われ奪われた記憶はあまりに残酷で・・・



「ライ君!!」


ヒロイン達がライの部屋に飛び込んでくる。


「スガタ君も私達の後ろに!!」


「え?・・でも僕は・・君たちの敵で・・」

「大丈夫」アカリがウインクする。


「ライ君が守ったんだもん・・・、私達も守るよ!

この街も、勿論スガタ君も!!いくよ!皆!」


6人がそれぞれ変身する。

傷だらけのライのを想い、スガタの事を想い

その力はいつもより強く、四天王の一角を退散させた。


「くっ!これで終わったと思うなよ!!」



闘いが終わり・・スガタは自分の胸に手を当てる。

そこから光の珠が現れる。


「それは、女神様の力だぴゅる~」

「・・最後に・・これくらいしなくちゃ・・・ね・・・。

返すよ・・女神様・・、ごめんなさい・・・。

ライ、皆も・・ごめん・・ごめんなさい・・」


光の珠にスガタの涙が落ちると

ふわりとあたたかい光が広がる。


「謝る必要などありません。

わたくしには最初からすべてわかっていたのです・・

それでもあなたを救ってあげられなかった・・・。

全ては私の力不足ですわ・・・せめて・・・」


光がライ、スガタ、ヒロインたちを包み込む。


「何?!力が・・湧いて来る」

「うん!不思議・・これが女神様の力」

『あったかい・・・』

「女神様の力が私達の中に・・」

「悲しみの根源・・断ち切ってみせる・・」


変身した姿がちょこちょこ変わってゆき

スノウ・プリンセス達はパワーアップしたのだ!


そしてライの傷も

シンの心の傷も癒えていく・・ゆっくりと・・。


「・・ん・・、ここは・・」ライが体を起こす。

目の前にはスガタが流しながら「ごめ・・」と

言いかける。


「スガタ・・いいえ、彼の本当の名はシン=ノース。

どうか彼の事、これからも守ってあげて下さい。

親愛なるお友達として・・」


女神の声に驚きつつ、ライは・・

そしてヒロイン達も・・


『「ええ、勿論!」』


声が重なり、シンは乱暴に涙を拭い。


「僕も強くなる!闘うよ!」と笑顔を見せた。


笑顔の一枚画で止まり、Bパート終了。

そしてED。


第7話「新たな敵の四天王、一番最弱から倒していくんだから!お約束?!そんなの無理無理

     無理寄りの無理~」



第7話「深まる絆と新たな敵 新しい仲間と共に!」


EDの終わりに合わせてマインとラースが寮の前に立っている

シーンが加わる。


「私はマイン」「私はラース」

『女神様の命により、今日から共に闘いましょう!』


改変終了!




「尊くて死ぬ所でしたわ~感動回ですわぁ~」


女神がむせび泣く、神殿が・・・神殿に色がついた・・

金ぴかだー・・ハデだなぁ・・・床まで金ぴかだよ・・・。


よしよし、これでヒロインも全員登場させたし。

敵のボスも四天王も出せたし、


そろそろボスの城に乗り込む的な流れも

入れないと・・残り話数も少ないしな。


「魔法少年とかどうでしょう!」

「は?」


泣きすぎて目がパンッパンになった女神が提案する。


「シンきゅんに新たな力が」

「それはそうと・・女神の力が戻ったんだから、スガタの

一部ってのは戻って来たのか?」

「華麗なスルー・・嫌いじゃありませんわ・・、そうですわね・・

この神殿に色がついたという事は、誰かの力が良い

方向に向かったという事・・・つまり、作業をして下さったと

いう事です。きっと外に漏れだした力も戻ったのでしょう。」


「じゃあこれ以上の改変は・・」

もしかして俺、解放され・・


「一応最後まで改変して頂かなければ・・次話なんて

四天王の設定もありませんし、また遅刻から始まり

大開脚転倒から始まり、もう既にデザインもクソもない

ただの影の敵と、服を破られながら戦う羽目になりますわ。

そうするとまた悪い気が外へ・・。

ですのでここはいっちょ魔法少年シンきゅんの出番!」


「最近女神の趣味に寄りすぎだから、ヒロイン側に話を

戻さないとな・・キャラの深堀もキャラ1.2.7.8しか出来て

ないからなぁ・・・3.4はタダでさえ双子って個性しかないし

・・うーん・・・、次回からはヒロインのキャラ付けから

最終決戦への掴み・・かな!お色気も入れるか・・」

「・・・くっ!」

「ライとシンは同じ寮に住んでんだから、後は女神の

脳内保管で薄い本にまとめてくれ・・・」


それにしても・・


キャラ絵も個性出て来たし、髪や瞳ににハイライト

入るようになったし。

背景は相変わらずだけどパースの狂いもマイルドに

なったし・・

海回なんて、全員水着のデザイン違ったしな

スク水なんて一人も居なかったし。

一応触手プレイも入れたし、妖精にパンチラも

させたし。BLも脳内変換出来るくらいは入れたし。

ストーリーもシリアス・ギャグと入ってるし。


今回は感動回だったし・・・



意外といい線行ってんじゃないか??

よし、この勢いで8話改変!

こうなりゃ最後までやってやるぜ!


「魔法少年シン・・意外と神アニメになるのでは?!」

「まずは円盤を売って、神絵師のおメガネに敵ったら

無い話でもないんじゃないか?」

「うっは!!」


女神のガッツポーズ。

あまり見ない、貴重なシーンだなぁ・・・。


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