第5話

「5話はOPの前にナルミとハヅキが寮に入居するシーンから入る、

そして戦士として力を底上げする為に女神から預かったマスコットの提案

で海に合宿に行く・・所謂お色気回だ!」

「へー・・」


尊死寸前の女神は無視して。


「ここでマスコットキャラを出したいんだよなー・・設定資料にマスコットは出て来たかな?」


設定資料をめくる。


「お!あるじゃないか!!!えと・・・名前はまだ無いな・・・でも少し線画が・・・・」


魔法少女には可愛いマスコットキャラがつきものだ。

時に人間の姿に変身して女子人気に火がついたりしたものだ。

・・・しかし・・これは。

原作にはない設定だが・・・・・


「これ、どう見てもアレだよな・・しかも、語尾は「で、ぶぅ」って・・・・」

「えぇ、まぁ・・、ミニブタですわね」


マスコットがブタって・・・

しかもそこそこリアルな見た目に申し訳程度についたハエみたいな羽。


「キャラデザさん2.3人に丸投げされた結果、そのうちの一人がミニブタを飼ってらして・・

そこそこリアルにデザインされていた為、動く事もなく、そのうち空気になったのですわ。」


原作はまだ完結している訳ではないが、ヒロインは3人しかいない。

そのヒロインを8人に増やされた上に原作にもないマスコットを

デザインしろとか言われてもなぁ・・・・・

・・まぁ・・こうなっても仕方ないよなぁ・・・。


ミニブタは可愛いよ確かに。頭もいいし、綺麗好きだし、躾もしやすいって聞く。

そしてやけにリアルだから、途中から出番どころか顔しか出てこなくなったんだよな・・・

俺は「クマ注意」のシールのパクリか何かかと思ってたんだ・・・・。

セリフも無かったしな。


ええい!ミニブタでもいい!

改変したら可愛くなるかもしれないし・・・・


「でもいいのか?

このミニブタ、お前の伝言役なんだぞ?」

「何でもいいですわぁ、わたくしとスガタきゅんの邪魔さえしなければ!」


・・・前回、変な餌を与えすぎたな・・・・

まぁ気を取り直して。


「俺は乗り気じゃないけど・・、BパートにはBLに見えそうな要素もいれ」

「なんですってぇーーーーー!!!こいつはキンッキンに冷えてやがるですわぁ!!」

「冷やすのはお前の頭だ!!主人公男の目もそろそろ生えるような流れにしたい。

原作はまだ完結していないけど、いつかはメインヒロインの誰かといい仲になる流れ

にもなるだろう・・そのきっかけとして目は生やしておきたい」

「ベーコンレタス!!!ベーコンレタス!!!!!」

「少しだけだぞ!メインはヒロインたちの特訓と、水着回なんだからな!」

「わたくしは「リバ同担オメガ女体化可」なんでもおいしくぱっくんできます!女神ですもの!!!」

「何の呪文だ・・もう何言ってんのかわからんが・・5話は・・・」




ヒロインたちが暮らす寮にナルミとハズキが引っ越して来る。


アカリ達は二人を歓迎し、その日の夜は歓迎会が開かれた。

そこでマスコットのミニブタが「可愛らしく」飛び出してくる。


「うわぁ!可愛い~!!この子は?」

「ご、ごめんなさい!こらピュエル!大人しくなさい!」


ハズキはピュエルを捕まえようとするが、ピュエルはカスミのスカートに

隠れてしまう。


「きゃ!」「いけません!ピュエル!」


カスミからアカリ、サツキ、タツキとスカートの中や、服の中に隠れるピュエル。

目は生えて居ないが目を覆う主人公男。


シーンは変わって風呂場へ。

ここでもピュエルのエロイベントは続く。


「んもぅ!エッチなんだから!」とうとうアカリに捕まえられ、ピュエルは

「ごめんなさいぴゅる、皆の力を測っていたぴゅる~」と情けない声を上げる。


「私達の」「力?」


「ええ、この子は女神様の側近、妖精のピュエル・・・、地上で何かお役に立てないかと

女神様から託されたの。でも悪戯っ子で・・・」

「でも力を感じる能力は本物です・・・、どうピュエル?皆、戦士にふさわしいと私達は思うんだけど」


ピュエルは少し考えて、短い手で「×」を作る。


「こんなんじゃ駄目ぴゅる!まだまだ戦士とは呼べないぴゅる!!!

ここは強化合宿しかないぴゅるー!」


「えぇ?!」「合宿?!!!」


夜が更け、朝のシーンへ。

バスで海に向かうヒロイン達。

そこには主人公男と、その親友、狩野スガタも居た。


「ボク、海なんて初めてだよ!楽しみだな!」

「そんなにはしゃぐなよ!酔うぞ!」主人公男に宥められて

肩をすくめて笑うスガタ。

だが内心は『スノウ・プリンセスども・・ここでケリをつけてやる』とほくそ笑む。


「んん?!何か今邪悪な気配がしたぴゅる!」

ピュエルはバス内を見回し・・・不安げにする主人公男を見て「ふん!」と鼻を鳴らす。

「男の子同士でいちゃいちゃするのは、とても邪悪ぴゅる!」


ヒロインたちは一斉に主人公男を見る。


「いちゃいちゃって・・・・ただ俺は・・・!」

「へー・・・、・・・君って狩野君と仲いもんね」

「そ、そんなの、いけないと思います!!!」


ヒロインたちからかわれ、バスは合宿所でもある豪華ホテルに到着する。

Aパートはこんなもんだろう。



「これは地獄の合宿ぴゅる!皆、水着に着替えて浜辺に集合!ぴゅる!!」

Bパートはピュエルのドアップで始まる。


「み、水着・・・って・・」「合宿って聞いてたから・・・」

サツキとタツキは顔を見合わせ・・・

アカリとカスミは顔を赤くしながら荷物から水着を取り出す。


「・・こ、こほん・・遊びではないのはわかっておりましたが」

「いざと言う時の為に・・」

ナルミとハヅキも同じく水着を取り出す。

そして・・

サツキとタツキも「実は・・」「私達も・・」

と全員が水着を取り出し、皆で顔を見合わせて笑う。


「・・・泳ぎに来たんじゃないのか?」不思議そうにする主人公男。

「ね、早く海に行こうよ!バーベキューもやってみたい!」と主人公男を

せかすスガタ。


砂浜でビーチバレーをしたり、海で泳いだりするヒロイン達。

「これじゃ特訓にならないぴゅるー」と言いながら、ヒロイン達の水着の間に

入りこむスケベ妖精。


「きゃ!もうだめぇ!」「私の水着が!!」


そこに突如現れたタコの怪物。

お約束通りその触手に絡めとられるヒロイン達。

強い日差しに見せられない場所を守られながら、

そこそこ変身して敵を撃破。


一方その頃。


「ライは泳がないの?!」スガタに言われライは・・やっと名前のついた主人公男は

「わかった!泳ぐって、バーベキューの下準備が終わったらな!」と

スガタの髪を優しく梳かすように撫でる。


前髪で目が隠れる程だが、襟足は短い髪型で中肉中背。

実は寮で食事を作る担当をしている、という設定までついた「主人公男」事ライに

やっと目が生え、設定ができた・・・良かったな・・ライ!!!


「あ、でも・・ボク・・」スガタが心配そうに俯く。

「どうした?」ライはスガタより20センチ程背が高く、少し腰をかがめてスガタに

死線を合わせる。


「海に来るの初めてって、言ったでしょ?実は泳ぐのも初めてで・・」

「なんだ!そんな事か!俺が教えてやるよ!」

「あと・・その・・・・あの・・・・」


益々恥ずかしそうに視線を泳がせるスガタを、ライは宥めるようにその前髪を撫でて

その手をスガタの細い肩に置く。


「・・うぅう・・本当は・・恥ずかしいんだけど」

「いいよ?何でも言ってくれ」爽やか微笑むライ。

「・・・ん・・・」それでもスガタは俯いたままだ。

「うん?どうした?」ライは床に膝をつき、ライの顔を覗き込む。

「笑わないでね・・」耳まで赤くしたスガタ。

「笑わないよ!だから・・ね?」あやすように言葉を促すライ。


「ん・・僕・・、日焼けすると・・夏じゃなくても・・肌が赤くなっちゃって・・

日焼け止めが欠かせないんだ・・」

「そうだよな、じゃあ泳ぐのは止めておくか?」

「やだ!」


スガタはライの手を取り、子供がイヤイヤをするよう首を左右に振った。


「あのね・・・だからね・・日焼け止め・・塗ってくれたら・・・大丈夫だから・・

その・・背中とか、僕ひとりじゃ・・できないから・・・・」


ライは立ち上がり際スガタの耳元にそっと囁く。

「なんだ・・そんな事か・・・、大丈夫・・・俺が塗ってやるよ・・」

「!!ほんと?!嬉しい!!!」スガタはライに抱き着いた。

「こらこら!!抱き着くなって!ははは!!!困った奴だな!!」

「だって!嬉しいんだもん!!!ありがと!大好き!!ライ!」

「俺も、スガタが好きだよ?」


やがて食事の下準備終わり、二人は砂浜に向かう。


「じゃあ・・ぬ、脱ぐね・・」


ビーチパラソルの下、大き目のパーカーを戸惑いながらも脱いだ

透けるような白い肌、少年らしいなだらかなラインを残す体躯を晒すスガタ。


「大丈夫、日焼け止めは重ねてゆっくり塗り広げればいいんだ・・・、

こういう風に・・・」


ライはスガタの腕にトロトロとした白濁の液を零す。

「つめたっ・・」「ああ、ごめん・・すぐ・・馴染むから・・ね?」

ライはスガタその体中に日焼け止めという名の白濁をゆっくり塗り広げてゆく・・


「あ!」

「ごめん、痛かった?優しくしたつもりだったんだけど・・俺も・・気が急いて・・」


ライは済まなそうにスガタを優しく抱きしめる。


「今度は・・背中だね・・・、後ろから・・・いいか?」

「・・・ん・・・ボク・・・初めて・・・だから・・・」

「わかってるよ・・・ホタテの上で蕩けるバターみたいにね・・

優しく・・・ライを俺のコンプラで・・・じっくり・・溶かしてあげる・・」

「ふぁ・・」


スガタの甘い吐息がこぼれる。

恥ずかしくて思わず口を塞ぐその手を、男らしく骨ばったライの手が

押さえつけた。


「恥ずかしがらないで・・・声・・聞きたいな・・・

でも・・・もう・・優しく・・・出来ないよ?」

「そ、そんな・・・、やだ・・イジワル!優しくしてくれるって・・」

「スガタの・・せいだよ・・・」

「ライ・・んっ・・・」「はぁ・・・スガタ・・可愛いよ・・・・・」



「って、この腐女神!!!腐女神!!!降りてこい!!!

改変中断!!!中断だーーーー!!!!!!」


夏の浜辺・・ベーコンとレタスが絡むのをじっくり観賞するヒロイン達・・

辺りが光で溢れる・・・・

中断・・成功・・・したのか??



「なんですのもう!今からライの猛ったコンプラがスガタきゅんの秘密のコンプラに

コンプラしてはコンプラし、コンプラしてはズッコンバッコン大騒ぎで

バッチバチにコンプラ汁描写でコンプラでしたのに!わたくしの筆もノリノリでしたのに!!!」

「お前の薄い本なんかどうでもいいんだよ!!誰にどんな需要があるんだよ!

「前田様には自給自足しかないわたくしの気持ちなどわかりませんわ!!!」

「うっせ腐女神!!!誰が本格的なコンプラ行為を付け加えろと言ったぁ!!

確かに放送時間は朝の4時だが!それでも放送できるかこんなもん!!!

それに!誰かに願われなければ改変出来ないんじゃなかったのか?!」

「あれはわたくしの同人誌です。

本クソアニメには全く関係ない二次創作物です。グレーゾーンです」


・・そんな澄んだ目で・・・はっきり言われても・・・


「いや、このシーンはな!確かにライが肌の弱いスガタの背中に日焼け止めを塗ってやるシーンだが」

「ヤル?!間違っていませんわ!」「そのヤルじゃねぇよ!!!」


つ・・疲れる・・・・


「ライの背中には大きな傷跡があるんだ。ライ自身背中の傷だから気づいていないが

それはまだライは子供の頃・・シンの時。

ブラック・スノウに洗脳される前の事だ。

家族と遊園地に行った帰り、土手から転び落ちて、そこに積んであった角材によって

運悪く大怪我をした傷なんだ」


「そんなぁ・・スガタきゅんに傷なんて・・」


「ライはスガタの傷を見て、その傷について尋ねていいか戸惑う。

その傷があまりにも痛々しくて日焼け止めを塗ってもいいかスガタに尋ねるんだ。

そこでスガタは記憶の断片を思いだす。

確かに事故で負った怪我は大きかったし、恐怖と痛みもあった。

だが自分を心配して抱きかかえてくれた父親の大きな腕のぬくもりや、母親の辛そうな涙を

思い出しそうになる・・だが、洗脳を解くにはまだ足りず・・スガタはブラック・スノウ総帥の中に

その思い出を閉じ込めてしまう」


「ハスハスハスハス・・・ッスー・・・・・・・ハー・・・・・」


洋画のAV女優みたいな声出してるけど・・大丈夫か??

これでも少しはBLの触りみたいなシーンにしたんだぞ?

・・・落ち着いたか・・?腐女神・・・・


「勿論幼少期のスガタきゅんは半ズボンで・・・」

「はいはい、それは違和感はねーから・・・・・・・、それに主人公男に

料理上手・世話好きって設定がついたぞ?

これで響くお姉さんには響くだろう・・・、今度こそ!ちゃんと改変するんだぞ!

行ってこい!腐女神!!!!」


「半ズボン半ズボン半ズボン・・・・」


辺りが光に包まれる・・・・・・




「ごめん・・聞いていいかわかんねーけど」ライは戸惑いながらも

不思議そうに見上げてくるライに尋ねる事にした。


「あの・・・お前が肌弱くて、夏でも長袖なの知ってるから・・日焼け止め塗って

やろうと思ったんだけどさ・・」

「うん!さすがに背中は自分では無理だから助かるよ!それで?どうしたの?」

「・・昔、背中に怪我とか・・したのか?今でも痛むか?」


心配そうに言われて、スガタの表情が一瞬変わる。

だがすぐにいつもの笑顔になった。


「忘れちゃったなー、でも全然痛くないから大丈夫!

それより早く!泳ぎ方教えてよ!!」


「お、おお、一応パーカー着とけよ!

ほんと、お前ってすぐ肌赤くなるんだから」

「りょーかーい!!」


『・・何だ今・・の・・、記憶は・・背中の怪我・・?まぁいい・・。

ふん、今はせいぜい海とやらを満喫するんだなスノウ・プリンセス共・・・

このライという男を人質に・・・・・・今度こそ、

いや、ライを怪人にして責めるのも・・・良いかもしれん』


スガタが視線を送る先にはヒロイン達が泊まるホテルがあり・・・

そのホテルが黒く染まって行く。



ここでBパート終了。EDだ。


第五話「海は大胆水着で決まり!あれ?!私達ヌーディストビーチに迷い混んじゃった?!

     全裸OKなんて言われても!無理無理ぃ~無理よりの無理だよぅ~」


改め


第五話「可愛い妖精ピュエル登場! 青い海と青い空・・そして遠い記憶のカケラ」



今度こそ改変完了だ!!!





「ぎゃーーー!!原田様!!!ここここれをーーー!!!」


女神が設定資料を俺に押し付ける・・何だよ・・・って・・これ・・・

ピュエルの設定が変わってる!確かに語尾も「で、ぶぅ」じゃなくて

「ぴゅる~」になってたもんな・・・

見た目も大輪の華冠をつけ、羽も虹色の蝶々に・・・・

服も花を重ねた可愛いミニドレスになって、人間型の妖精になってる!


タイトルに「かわいい」をつけたからか?!!


やった!これで女神との連絡役でも、女の子のスカートに潜り込んでも

エロさが半減されるだろう。

妖精が飛び回って逃げた先がたまたまスカートの中とか

水着の中とかなら仕方ない!妖精だもの。


「そこじゃございません!これ!これ!!」


女神は妖精のページを破り捨てる勢いでめくった。

そこには・・・・・・

幼少期のスガタが・・・長袖のシャツに半ズボンの立ち絵、横顔

正面、表情・・より細かな設定も足されている。


幼少期背中に負った大きな傷跡があり、シン=ノースとしての時の

記憶の断片として残っている。

ブラック・スノウ幹部としての洗脳が強く、ライに傷を指摘されても

洗脳の力の前には未だ抗えないでいる。

だが昔から病弱で友達も居らず、寂しかった・・という記憶を持つため

無意識に親代わりのようにライを頼りにし、甘える一面も・・


お!主人公男君の設定も!目が・・目が生えたぞ!!

画もついてる!!イケメンじゃねーか!!

ええと名前は獅子堂ライ。身長190㎝・・190?!デカすぎじゃねーか?

女子だらけの寮に暮らす事を最初は躊躇っていたが、実家の都合で

寮生活をする事に。

一人っ子の為、ヒロインや親友のスガタを弟妹のように可愛がっている。

趣味は家事一般。寮では毎日食事やヒロイン達のお弁当も作っている。

運動神経も良く、スポーツ部から助っ人の依頼が絶えないが本人は

家事優先で断る事が多い。

成績優秀で前髪で隠した素顔は美形。

身長が高い為男女問わず相手を褒める時、髪を撫でる癖がある。

女子から人気も高いが本人は全く気がついていない。


・・設定・・長っ!

確かに、主人公男が哀れと思いちょこちょこ活躍させてきた結果がこれか・・・

まぁこれで少しでも人気が出れば・・いいなぁ・・・・



「身長差萌えぇえーーーへっへっへっ!!!!原田氏!この調子で

次回の海回もベーコンレタス夏の大感謝祭でお願い致しまするぞーーー!!

ヒャッフォォオオーーーイ」


女神の歓喜の叫びが、モノクロの神殿に木霊した・・・。

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