3 純人の気持ちが分からず、真莉愛は彼の部屋を飛び出す

 真莉愛と純人が会えるのは2週間に1度ぐらいだったが、キスによって親密さは増していた。そして、彼の部屋で食事をしたり、話をしたりするようになっていた。しかし、彼はキス以上を求めようとせず、真莉愛は次第に不満を口にするようになっていた。

「私って、女性としての魅力がないのかな?純人さんが何を考えているのか、最近分からなくなった。恋愛は心の結び付きが始めだけど、それだけでは物足りなくなるのかな。二人の気持ちが通じ合うためには、どうしたら良いの?」

「ごめんね!真莉愛の気持ちはよく分かっているけど、今は大切にしたいと思っている。俺だって、キスより先に進みたいけど、もう少し待ってほしい。」

 彼が何をためらっているのか、元カノが原因だと分かっていても、どうすれば気持ちを確かめられるのかを真莉愛は考えていた。そして、彼女は着ている服をいきなり脱ぎ出し、下着だけの姿で彼の前に立った。

「私を今すぐに抱いて!純人さんと一つになりたいの!」と言う真莉愛を、純人は抱き寄せていた。

「真莉愛のことは好きだけど、今の俺に君を抱く資格はないんだ。」

「どういうことなの?元カノとまだ付き合っているの?教えてよ!」

 真莉愛は、自分の思い切った行動を受け入れてもらえず、ショックを隠せなかった。彼は服を彼女の肩から掛けて、告白した。

「実は、この前の連休に北海道から彼女が来たんだ。俺としては別れたつもりが、彼女はそうでなかったみたいで、一晩一緒に過ごしたんだ。」

「何よ、それ!この部屋で彼女と二人で、どうしたの?」

「どうもしてないよ。俺には真莉愛という彼女ができて、遠距離は無理だから別れようと話をした。でも、なかなか分かってもらえなくて、泊まる事になったんだ。俺がはっきりしなかったのが、悪かったと思っている。」

 真莉愛は彼の話を落ち着いて聞いていたが、

「でも、まだ別れていないんだよね。純人さんが理解できない!」と言って、部屋を飛び出した。

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