第3話 事故③
村のバス停近くで車を降ろしてもらった。おっさんに深く頭を下げて心から礼を言った。本当に助かった。
バス停は、かなり年季が入っていた。てっぺんの丸い部分は、
支柱には、ボール紙に手書きの時刻表が、針金でくくりつけてあった。見たところ、バスの間隔は二時間に一本。次のバスは2
時半頃のようだが、今はいったい何時だろう。時計は持っていない。スマホも壊れてしまったので、確認しようがない。日はまだ高いから、まだ昼間であるのには間違いない。
まずは電話だ。実家で、母たちが心配してるに違いない。ちょうど、バス停の前に店がある。看板は平坂商店。入口のサッシが開け放されていたので、そのまま中に入った。
店内は、薄暗かった。灰色のコンクリートの壁と床のせいで、余計そう感じたのかも知れない。
陳列棚には、菓子パンやスナック菓子、お茶や袋麺、調味料などが並べてあり、他には
店の奥に小さな
「すみません」
「え、誰だい」
声をかけると、暖簾越し、テレビの音に混じって、女性の声が聞こえた。
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